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有害鳥獣対策 デジタル駆使 狩猟者支援策も検討 静岡県議会定例会

 静岡県議会12月定例会は8日、自民改革会議の伊丹雅治氏(三島市)、野田治久氏(伊豆市)、天野多美子氏(静岡市葵区)、ふじのくに県民クラブの鈴木唯記子氏(浜松市中区)が一般質問を行った。川魚を食い荒らすカワウや農林被害などを引き起こすニホンジカなどの有害鳥獣対策について、県はデジタル技術を駆使して繁殖地の特定や効率的な駆除を進める考えを示した。野田氏への答弁。
 カワウの被害は狩野川をはじめ、天竜川、浜名湖など広域で確認されている。近年は猟銃による駆除の反動で、生息域がさらに分散している。県は本年度、伊豆市や狩野川漁協と協働してカワウの目撃情報を収集し、ドローンを活用した生息場所などの調査を行い、狩野川水系全体で複数のカワウのねぐらを確認した。
 桜井正陽農林水産担当部長は、この成果を生かしてカワウの繁殖地の特定を急ぐとともに、「ドローンを最大限に活用し、上流から下流へねぐらを移動させるためのひも張りや、卵のふ化を抑制するドライアイスの投入など対策を強化する」と述べ、水産資源の維持、回復に努めるとした。
 ニホンジカについては、2022年度の推定生息頭数がピーク時の15年度に比べ伊豆地域は42%減、富士地域は24%減少した。ただ、高畑英治くらし・環境部長は「ニホンジカの警戒心が高まり、生息地が奥地に移り、捕獲が思うように進まなくなっている」と説明し、デジタル技術を活用した効果的な捕獲を進める考えを示した。
 自然保護課によると、遠赤外線カメラ搭載のドローンと3次元点群データを活用して、狩猟者が安全に捕獲できる位置情報をピンポイントで示して効率的な駆除につなげる方法を検討しているという。
 高畑部長は、燃料や猟具の価格高騰で狩猟者の負担が増えている現状を踏まえ「安全に捕獲活動を続けてもらえるよう負担軽減に配慮したい」とも述べた。
 (政治部・豊竹喬)

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