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運転手確保へ各社タッグ 静岡県内バス7グループが体験会 待遇改善、福利厚生PR

 2024年春からの残業時間の上限規制で、運転手不足の深刻化が懸念される静岡県内路線バス各社が27日、会社の垣根を越えて運転体験会と会社説明会を沼津市内で開いた。参加者は自動車学校のコースで実際に大型バスを運転。運転手の高齢化や離職で人手不足に危機感を強める各社は、養成の仕組みや福利厚生などをアピールした。

実際の訓練車を使い、参加者がバスを運転した合同体験会=27日午後、沼津市のきせがわ自動車学校
実際の訓練車を使い、参加者がバスを運転した合同体験会=27日午後、沼津市のきせがわ自動車学校

 県バス協会と国土交通省静岡運輸支局が主催。県内に路線を持つバス会社7グループが参加した。今回は主に県外の5人が運転を体験した。神奈川県の40代男性は「自分に運転できるか判断できる。こういった体験会はもっとやってほしい」と期待する。
 体験会は1月にも静岡市で開き、20人が参加。3人の就職につながった。グループで2人が入社した富士急シティバス(沼津市)の井原一泰社長は「実際に運転できるという手応えが得られたようだ」と体験会の意義を強調する。
 会社説明会では、各社が賃金上昇など改善した待遇や福利厚生をPR。しずてつジャストライン(静岡市葵区)は専用の自社研修施設で養成することを紹介、伊豆箱根バス(三島市)は運転手本人だけでなく、同居家族も電車とバスが無料になると強調した。
 県バス協会の堀内哲郎専務理事は「各社一堂に会して説明会を開くのは、業界全体の危機感の現れ。特に意欲の高い人の就職を後押ししたい」とし、今後も定期的に開く予定という。
 (東部総局・尾藤旭)

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