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記者コラム「清流」 水があるってすごい

 能登半島地震の被災者が、三島市の源兵衛川で水遊びした後だった。「水があるってすごい」。11歳の女の子のつぶやきが心に突き刺さった。通常なら同市が誇る清流に感動したと受け取るが、この日は違った。ただ単に水を自由に使えるありがたみを実感しているように思えたからだ。
 女の子は幼なじみ3人で参加。うち2人は新年度から家族とともに上下水道の復旧めどが立たない石川県珠洲市から避難し、3人は離れ離れになると聞いた。「水さえあれば」。心の奥にあるであろうそんな恨み節を我慢して言わないようにしているようだった。
 水が当たり前にある環境で生きてきた。そのインフラの老朽化や災害対策が叫ばれて久しい。大切な人の命と心を守るにはどうしたらいいか。真剣に向き合わなくてはいけない。
(三島支局・岡田拓也)

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