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透析中の症状5カ国語に 順大保健看護学部生が「日本語対比表」作成 外国人と医療者の不安解消

 看護師や保健師を目指す順天堂大保健看護学部(三島市大宮町)の学生が、外国人が透析療法中に使用するコミュニケーションツールを作成した。「胸が痛い」「しびれる」など透析中に伝えたい16の症状を5カ国語でまとめた日本語との言語対比表。医療従事者と患者双方の言語に対する不安を取り除き、医療現場での意思疎通に役立ててもらう。

言語対比表を作成した学生=三島市役所
言語対比表を作成した学生=三島市役所

 緊張や言葉の壁から受診時に症状がうまく伝えられない外国人住民がいるとの声を受け、市は2021年度から同学部と協働を開始。昨年度は腹痛時の症状を伝えるための「痛みのオノマトペ」を作成し、今回は第2弾。県東部で透析療法を行う医療機関に配布するほか、外国人住民向けの相談窓口でも配る。
 透析時は片腕を動かすことができず、身ぶり手ぶりで症状を伝えるのが難しいため作成に取り組んだ。県東部の医療機関にアンケートして透析中に起きやすい症状を選出。英語、スペイン語、ベトナム語、中国語、ポルトガル語で表記した。
 各言語に精通した人が翻訳した5カ国語の症状を、翻訳会社で日本語に改めて訳してもらい、整合性をチェックした。2年の村上可恩さんは「言葉のニュアンスが違うと困るので細心の注意をはらった」と苦労を語った。透析の必要性から海外旅行を諦める人もいるため「日本に住む外国人だけでなく、日本人が外国に行った時にも使えるツールとしても普及してほしい」と期待した。
 (三島支局・岡田拓也)

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