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荒廃農地調査、DX化で9割省力 静岡県の推進研究会試算

 静岡県と静岡県農業会議でつくる県荒廃農地調査DX化推進研究会は15日までに、デジタル技術を用いた荒廃農地調査が既存手法に比べて90%超の労力削減効果があると試算した。三島市で実施した現地調査の推計値としてとりまとめた。担当者は「調査員の負担軽減、荒廃農地の抑制や利活用にもつながる」と手応えを示す。

荒廃農地の調査で使用されるデータ解析アプリ。地図上に耕作状況が色分けされて表示される=昨年12月下旬、静岡市葵区
荒廃農地の調査で使用されるデータ解析アプリ。地図上に耕作状況が色分けされて表示される=昨年12月下旬、静岡市葵区

 研究会は本年度、衛星データ解析アプリを使った調査を三島、沼津、島田、牧之原、菊川の5市で展開。人工知能(AI)で農地を分析し、耕作状況が色分けされてデジタル地図上に表示されるため、事前の抽出作業や低い荒廃度の農地パトロールを省略できた。
 三島市での調査を基に、導入前後で1000ヘクタール当たりの所要時間を比べた結果、現地確認用の地図準備は152時間から97・3%減の4時間に、予備調査(農地の絞り込み)は428時間から89・7%減の44時間にそれぞれ減少した。
 県農業ビジネス課の笹野努課長は「驚異的な数字。削減された労力を農地集約などの将来像の検討に充ててもらえる」と期待する。
 来年度は他市町の農業委員会とも情報共有し、導入を促す計画。県農業会議の担当者は「有効な手段として全県的な取り組みに広げたい」と語る。

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