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地形・地質遺産ガイド作成 赤石山地・南アルプスの魅力 静岡県HPで公開

 静岡県はこのほど、大井川に沿う赤石山地や南アルプス(南ア)で見られる地形・地質遺産を紹介する「ジオサイトガイド」を県ホームページで公開した。日本列島の誕生とともに形成され、今も地殻変動が続く南アは世界的にも珍しい地質遺産の宝庫。担当者は「現地を訪れてダイナミックな南アルプスの魅力を感じてほしい」と強調する。

南アルプスの地形や地質を解説する諸橋良主査(左)=10月中旬、県庁
南アルプスの地形や地質を解説する諸橋良主査(左)=10月中旬、県庁
南アルプスの地形や地質を解説する諸橋良主査(左)=10月中旬、県庁

 ガイドは静岡大の狩野謙一名誉教授の協力を得て作成した。静岡市、島田市、川根本町内の比較的訪れやすい地質遺産25カ所の解説とともにカラー写真や地図を掲載し、参考文献や関連動画なども紹介している。
 島田市神尾の大井川右岸で約150メートルにわたって観察できる「横臥褶曲(おうがしゅうきょく)」は、プレートの沈み込みに伴い大きく折れ曲がった地層の様子が一目瞭然で分かる。堆積構造が上下逆転した砂岩層の写真なども掲載した。
 他にも、道路斜面の岩盤から湧水が勢いよく噴き出している明神湧水(静岡市葵区田代)、河川が山地を削り込みながら蛇行する「穿入(せんにゅう)蛇行」により形成された環流丘陵(川根本町千頭)といった貴重な地形、地質遺産を解説した。
 南アの成り立ちは河原に転がる岩石からも読み取れる。ガイドでは赤石岳の名称の由来にもなり、海洋プランクトンの遺骸が集積してできた「赤色チャート」、海洋プレートなどを形成していた溶岩が変質した「緑色岩」など8種類の岩石も取り上げた。
 ガイドの作成に携わった県生活環境課の諸橋良主査は「従来のガイドブックはジオサイトの場所が分かりにくかったので、より具体的に示した。学校教育などでも活用してほしい」と話す。現地を訪れる際は、落石や滑落などに注意が必要なため、ヘルメットを着用し、無理な行動を避けるよう呼びかけている。
 問い合わせは県自然保護課<電054(221)2963>へ。

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