⚽熱戦に５０００人超、藤枝沸く　ＭＹＦＣクラブ史上最多、Ｊ２磐田とホームでリーグ戦初対決

　下克上の野望を抱く藤枝か、黄金期の再来を狙う磐田か。サッカーＪリーグ２部（Ｊ２）で１７日、昇格１年目の藤枝ＭＹＦＣが藤枝市の藤枝総合公園サッカー場にジュビロ磐田を迎えたリーグ戦初対決。平日のナイターにもかかわらず、クラブ史上初めてチケットが完売。過去最高の５６９６人の観客が詰めかけ、磐田が１－０で藤枝を下した熱戦を最後まで堪能した。

藤枝―磐田　ピッチに入場した選手に声援を送る両チームのサポーター＝１７日夜、藤枝総合運動公園サッカー場（写真部・二神亨）

キックインセレモニーをする野々村芳和チェアマン（右から２人目）＝１７日午後、藤枝総合運動公園サッカー場（写真部・小糸恵介）

　同施設で観客が５千人を超えるのは、開場初年度の２００２年ワールドカップ（Ｗ杯）日韓大会前にセネガル代表が当時のＪ１柏と親善試合を行った時以来。バックスタンドを改修中のため現在の観客席数は約６千席でメインスタンドとゴール裏は両サポーターでぎっしり。１プレーごとに歓声が上がった。
　Ｊ３昇格から１０年来、藤枝を応援する同市内在住の会社員海野伸昭さん（４９）は「かつてガラガラだったスタンドが満席で感慨深い。サッカーのまちのチームとして今後も攻撃的スタイルを貫いてほしい」と期待した。
　磐田サポーターも大挙して押し寄せた。応援歴１５年以上のパート従業員太田真澄さん（４５）＝藤枝市＝は「これほどの熱気とは」と驚きを隠さない。磐田のユニホームで藤枝のキーホルダーも持参した磐田市の公務員平田夕菜さん（２８）は「２チームで競り合いＪ１昇格圏に入ってほしい」と両チームの躍進を期待した。
　（運動部・寺田拓馬、名倉正和）

　野々村チェアマンキックイン　静岡サッカーにエール
　試合前にはＪリーグチェアマンの野々村芳和氏（清水東高出）が藤枝市の北村正平、磐田市の草地博昭両市長らと一緒にキックインセレモニーを行った。２０２２年のチェアマン就任以来、野々村氏がキックインに参加するのは今回が初めて。
　清水を加えたＪ２県勢３チームの静岡三国決戦の盛り上げに協力し、試合後は「ほぼ満員の雰囲気の中、内容もおもしろく“いい作品”だった」と笑顔を見せた。
　今後の静岡サッカーに対し、「私のふるさとにあるサッカー文化を全国に広めたいと思っている。選手とともに関係者の熱量が大事。もう一度、他地域との違いを見せてほしい」とエールを送った。