テーマ : ジュビロ磐田

⚽磐田のカイトは天高く パリ五輪代表を目指す若きCB 浜松市出身・鈴木海音(ジュビロ磐田)

 2024年パリ五輪出場を目指すU-22(22歳以下)日本代表、J2磐田の鈴木海音(20)=磐田ユース出、浜松市出身=が、もがいている。年代別代表を経験し海外遠征も重ねているが、磐田でのレギュラー争いは熾烈(しれつ)で定位置は確約されてはいない。

藤枝戦の試合後、チームメートと勝利を喜ぶ磐田・鈴木海(中央)=16日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
藤枝戦の試合後、チームメートと勝利を喜ぶ磐田・鈴木海(中央)=16日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
磐田―金沢 前半、果敢な守備を見せる磐田・鈴木海(左)=5日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
磐田―金沢 前半、果敢な守備を見せる磐田・鈴木海(左)=5日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
藤枝戦の試合後、チームメートと勝利を喜ぶ磐田・鈴木海(中央)=16日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
磐田―金沢 前半、果敢な守備を見せる磐田・鈴木海(左)=5日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)


 6月の欧州遠征は強豪のイングランドとオランダを相手にほぼフル出場し2試合とも無失点。DFとしてこの上ない成果を上げて自信を深めた。「欧州で活躍している相手が多かったが負けていなかった」と胸を張る。一方で世界の怖さも知った。「ワンプレーで決めきる力を感じた」
 代表活動から戻ってすぐ、リーグ戦に出場できるほどプロは甘くない。磐田のDFは東京五輪ブラジル代表のリカルドグラッサ、経験豊富な伊藤槙人(浜名高出)とつわものぞろい。さらに7月の天皇杯3回戦では、J1で首位争いをする神戸に5失点で完敗する屈辱も味わった。「レベルが高くなればミスを逃してくれない」
 代表と磐田で自分の殻を破ろうとする中、帰国中だった日本代表DF伊藤洋輝(シュツットガルト、磐田ユース出、浜松市出身)に助言を求めた。ブラジル料理を囲んで、将来の目標である海外移籍について尋ねた。移籍のタイミング、海外の雰囲気と話は尽きなかった。「早く海外に行った方がいい。すごく成長できる」。ドイツや日本代表でキャリアを重ねるレフティーの言葉は、ずしりと重かった。
 J2栃木へ育成型期限付き移籍していた昨季。10年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会を経験した矢野貴章(浜名高出、浜松市出身)を自ら食事に誘い、世界で戦う心得について聞いたこともある。「ファイティングポーズを取り続けろ」。栃木でレギュラーを確保し、満足しそうになった心を引き締めた。
 東京五輪はトレーニングパートナーとして、メダルまであと一歩に迫った五輪代表を間近で見た。パリ五輪まで残り1年。日本のとりでとなる若きセンターバックは、同郷の先輩2人の言葉を心に刻んでいる。「できることは成長することしかない」。伊藤の背負った背番号15を磐田で継承した若武者は力強く言った。
(運動部・名倉正和)

 すずき・かいと 2002年8月25日、浜松市出身。7歳からサッカーを始めた。浜松和田JFC、ジュビロ磐田ジュニアユース、磐田ユースを経て、20年にトップチームとプロ契約。17年から年代別日本代表に選出され19年のU-17(17歳以下)ワールドカップ(W杯)日本代表として16強入りした。昨季はJ2栃木に育成型期限付き移籍し、リーグ戦34試合に出場。

いい茶0

ジュビロ磐田の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞