テーマ : ジュビロ磐田

⚽磐田「J1残留」声援むなしく サポーター、敵地でぼうぜん

 サッカーJリーグ1部(J1)ジュビロ磐田の3度目のJ2降格が29日、決まった。3度の年間王者に輝いたかつての名門クラブはここ数年、強化方針が定まらず大きく低迷した。昨季はJ2を圧倒的な成績で制しながらも、わずか1年での陥落を大阪府吹田市のパナソニックスタジアム吹田で迎えた。

J2降格が決まり、ぼうぜんとする磐田サポーター=29日午後、大阪府吹田市のパナソニックスタジアム吹田(写真部・小糸恵介)
J2降格が決まり、ぼうぜんとする磐田サポーター=29日午後、大阪府吹田市のパナソニックスタジアム吹田(写真部・小糸恵介)

 声出し応援の可能な敵地のゴール裏には約1200人の磐田サポーターが駆け付けて、必死の声援を送った。家族4人で訪れた保育士の山下紗也佳さん(31)=袋井市=は「声を出して選手たちを後押ししたかった。勝ってもらうしかない」と願った。だが思いは届かなかった。
 1997年から6年間で3度の年間優勝を成し遂げた磐田は最近10年、世代交代が進まず2度の降格を経験した。元日本代表の遠藤保仁(42)らベテラン中心の布陣で昨季J2を制したが、今季はJ1のスピードについていけず、夏場に大きく失速した。
 8月には成績不振を理由に監督と強化責任者の同時解任という異例の事態に陥った。主力FWが他チームに移籍したが、穴埋めができず得点力不足に悩む試合が続いた。この日スタンドから見守った医療従事者の大石的茂さん(47)=磐田市=は「残留して強い磐田でいてほしい」と祈ったが、最後までゴールが遠かった。
 クラブは外国人選手の契約問題で来年の補強禁止処分を受けるなど、ピッチ外でも揺れている。まだスポーツ仲裁裁判所の裁定は出ておらず身動きの取れない状態が続く。小野勝社長は「まだもう一戦残っている。しっかりと戦い、最終戦が終わってから皆さんに説明したい」と言った。このままJ1とJ2を行き来する「エレベータークラブ」に甘んじるのか。明確なビジョンと反省がなければ、同じ過ちを繰り返しかねない。
 

磐田市長「再び戻ると信じ一丸に」

 ジュビロ磐田のJ2降格決定を受け、磐田市の草地博昭市長は29日、「一緒に戦ってきたサポーターの1人として悔しい気持ちでいっぱい。1年後に再びJ1のピッチに戻ってくると信じ、選手、スタッフ、サポーター、そして市民と一丸になって戦っていきたい」とコメントを出した。

いい茶0

ジュビロ磐田の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞