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⚽決意試されるフロント 点取り屋不在、上位に勝てず【3度目のJ1復帰 ジュビロ磐田㊦】

 J2磐田は今季、上位を争った町田、清水、東京Vに一つも勝つことができなかった。計6試合を戦い、2敗4分けの結果に、強化責任者の藤田俊哉スポーツダイレクター(SD)は補強禁止という厳しい状況下を言い訳にせず、「力が足りなかった」と潔く戦力不足を認めた。

東京V戦で先制を許し円陣を組む磐田の選手たち。今季は上位陣に勝てなかった=10月28日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
東京V戦で先制を許し円陣を組む磐田の選手たち。今季は上位陣に勝てなかった=10月28日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)

 今季の磐田はチーム総得点が74。町田、清水に次ぐリーグ3位だったものの、個人ではFWジャーメイン良、松本昌也(JFAアカデミー福島出)、ドゥドゥの3人がマークした9ゴールが最高。上位2チームとは異なり2桁得点者はいなかった。
 チーム全体で得点力不足をカバーした形となった今季だったが、藤田SDは攻撃陣の迫力不足を指摘する。「15~20点取れる選手が欲しかった。(絶対的な)ストライカーがいる方が強いに決まっている」と来季を見据え、点取り屋の補強をいの一番に挙げる。
 現役高校3年生ながら33試合で7得点を挙げた大型FW後藤啓介(磐田ユース出)は身長191センチの高さが魅力で今オフ、ベルギー1部アンデルレヒトへの移籍が濃厚。実現すれば、チームにとって痛手となるが、クラブは本人の意思を尊重する考えだ。それだけに、今冬のFW補強は、最重要課題となる。
 外国人選手の契約を巡る国際サッカー連盟(FIFA)規定違反の再発防止に向け、今季クラブは浜浦幸光社長のほか、常任の取締役2人を置く役員体制へ変更。浜浦社長はホーム最終戦のセレモニーで改めて「大きなペナルティーを受けてしまい、不安や心配をかけた」と陳謝。新たな選手との契約で同じ轍(てつ)を踏むことは許されない。
 Jリーグ昇格30周年という節目をJ2で過ごした磐田。クラブは「2026年にJ1優勝」という高い目標を掲げている。残り3季でこの高いハードルをクリアできるか。現場の選手や監督はもちろん、生まれ変わったフロントの決意が試される来季になるのは間違いない。

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