少子化対策「本末転倒」 経済アナリスト森永さん講演 島田
島田商工会議所と島田掛川信用金庫の取引先でつくる島田本店島信会などは16日、経済アナリストの森永康平さんを招いた新春講演会を島田市の同信金島田本店で開いた。地域の経営者らが熱心に耳を傾けた。
テーマは「データから見る日本経済の現状と課題」。森永さんは実質賃金の推移をはじめ、正規雇用と非正規雇用の比率、男性の年収別の有配偶率などを示しながら、停滞を続ける日本経済について解説した。その上で「収入が横ばいの非正規雇用を増やせば、少子高齢化が進むのは当然。若年層は結婚や出産をためらうほど経済力が落ちている」と強調した。
岸田文雄政権が進める異次元の少子化対策については「政策は歓迎するが、社会保険料の増加が若者の経済力をそいでいるのに、財源として社会保険料を上乗せしようとしては本末転倒だ」と指摘。さらに「(日本経済の)現状は自業自得でもあり、経済政策を理解している政治家を政府に送り込むためにも、選挙に行かなければならない」と訴えた。