市役所旧庁舎で「サバゲー」賛否 島田市、戦争想起で中止求める声
島田市が解体前の市役所旧庁舎を民間業者に貸与し、２６日に開催を予定しているサバイバルゲーム（サバゲー）について、一部の市議や市民から中止を求める声が上がっている。パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘や、ウクライナ侵攻などが続く中、公共施設で戦争を連想する事業は不謹慎と訴える。市は当初、何らかの形で染谷絹代市長の参加を予定していたが、再検討を余儀なくされている。
サバゲーは敵味方に分かれてエアガンを撃ち合い、被弾したら失格となる。焼津市で屋内会場のサバゲーを展開するスペシャルフォース（美濃部哲平代表）が公共施設の民間利用制度に着目し、提案した。参加者を募集したところ、全国から申し込みがあり、半日で定員が埋まった。
一方、開催を知った一部市議が戦争を想起させ、島田市のイメージを低下させるとして、市民とともに中止を求める要望書を市に提出した。呼びかけた森伸一市議は「時節柄ふさわしくないのでは。市民の意見が割れるイベントで思い入れのある旧庁舎が終わりを迎えるのは残念」と訴える。抗議は全静岡教職員組合などからも寄せられている。
計画した美濃部代表は「公共施設でできる機会はめったになく、柔軟な受け入れはありがたい。体を動かす目的で参加する人も多い」と話す。旧庁舎は築６１年で、跡地は来庁者用駐車場として利用するため、２７日から解体工事を開始する。既に電気やガス、水道は停止している。市は活用案募集の周知不足を認めるが、安全面などから利用方法は限られていた。
市は広義でスポーツと位置付け、地元の知名度向上にも寄与するとして中止しない構えを見せる。要望書を受け取った萬屋正副市長は「ネット上でも決断を評価する声は多い」と述べ、理解を求めている。
（島田支局・寺田将人）
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