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知事のレガシー拠点発言 静岡県「外に出す段階でない」 県議会総務委

 川勝平太知事が東アジア文化都市事業のレガシー(遺産)継承拠点を三島市内の国有地に置きたいと外部との懇談で発言したことを巡り、静岡県議会総務委員会は25日、閉会中審査を行い、県担当者に事実関係をただした。懇談で「詰めの段階」と述べた知事発言の真偽に質問が集中し、京極仁志経営管理部長は経緯を説明した上で、内部検討は「土地について情報収集の段階で、知事が(県議会9月定例会で)言った通り何も決まっていない。外部に出す段階とは考えていない」との認識を示した。総務委は調査を継続する方針。
 川勝知事は10月12日の県内商工会議所会頭との懇談で、定期借地で国有地を活用する考えや「詰めの段階に入っている」などと発言した。翌13日の県議会9月定例会最終日に最大会派自民改革会議などから「議会軽視」と問題視され、知事は「内部検討は始まっているが、一つのアイデアに過ぎない」と答弁した。
 県の説明によると、将来の県庁舎建て替えなどの検討を続ける中で、1月に豊岡武士三島市長からJR三島駅北側に立地する国合同庁舎や検察庁跡地の情報提供を受けた。その後、東海財務局への調査を始め、4月に知事が現地を視察した。活用方法の検討の指示を受けた県経営管理部が8月30日に「東部・伊豆地域の文化ゾーンの玄関口」など5案について可能性を検討する素案を提示。10月3日の経過報告の場で知事が初めてレガシー拠点への活用案を職員に伝えた。
 25日の閉会中審査で、京極部長は「具体的な検討に至っていなかった」と説明し、外部での知事発言の所感を問われ、「正直なところ、ちょっと驚いた」と述べた。
 委員から「不適切発言ではないか」と問われた石川英寛政策推進担当部長は、知事発言による影響の全体像を把握していないとして見解を述べなかった。委員が「『詰めの段階』は明らかに事実と異なる。謝罪、訂正する必要がある」とただすと、「指摘があったことを知事に改めて伝える」と述べた。
 委員間協議では、東海財務局職員らを招致する方針を決めた。知事に謝罪、訂正を求める意見も出たという。
 (政治部・青島英治)

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