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「世界一のセッター」 ファンが感謝と涙 バレー東レ、沼津のホーム戦 藤井直伸選手に惜別

 バレーボールVリーグ男子の東レは18日、セッター藤井直伸さん(享年31歳)が闘病の末に他界してから最初のホームゲームを迎えた。心はひとつ-。沼津市総合体育館に駆け付けた2千人超のファンは、誰からも愛された背番号「21」との別れを惜しみながら、声援を送った。

闘病の末に他界した藤井直伸選手へのメッセージをつづるファン=18日午後、沼津市総合体育館
闘病の末に他界した藤井直伸選手へのメッセージをつづるファン=18日午後、沼津市総合体育館
藤井直伸さん
藤井直伸さん
闘病の末に他界した藤井直伸選手へのメッセージをつづるファン=18日午後、沼津市総合体育館
藤井直伸さん

 藤井さんは昨年2月、SNSで「胃がんのステージ4」と診断されたことを公表。闘病生活を送っていたが、10日に死去した。
 会場にはメモリアルコーナーが設けられ、ユニホームや等身大パネルを展示。チームの呼びかけで集まった藤井さんの写真もモニターで映し出された。ファンは往年の勇姿に涙をこぼし、「世界一のセッター」「感動をありがとう」などとメッセージをつづった。2019年の日本代表戦から応援する会社員根本拳弥さん(22)=清水町=は「バレー経験がなくても李博選手とのコンビは印象的。もっとプレーを見ていたかった」としのんだ。
 宮城県石巻市出身、東日本大震災を経験した藤井さんの活躍は被災地の希望でもあった。函南町から訪れた古河恵子さん(78)は石巻市に近い東松島市出身。「故郷の星。元気になってくれるのを願っていたけど」と目元をぬぐった。
 大学まで目立った実績がなかったが、東レで成長し東京五輪のコートにも立った藤井さん。チームメートの目には、妥協を許さない姿が焼き付いている。「地道な積み重ねで人を引き付ける努力の天才。それは今の東レのカラーにもつながっている」と高橋健太郎選手(28)。篠田歩監督(43)は「魂のこもったプレーを受け継がなければならない」と決意を新たにした。

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