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新宇宙船、5月有人飛行試験へ 「スターライナー」でISS往復

 【ヒューストン共同】米航空宇宙局(NASA)は22日、国際宇宙ステーション(ISS)に飛行士を運ぶ米航空宇宙大手ボーイングの宇宙船「スターライナー」の有人飛行試験を5月1日にも実施する意向を明らかにした。順調なら来年前半に本運用に入る。米国が持つ飛行士の輸送手段として二つ目となり、継続的に人を送る体制が強固になる。日本人飛行士の搭乗も予想される。

宇宙船スターライナーの模型。搭乗や緊急時の離脱などの訓練に使う=21日、テキサス州のジョンソン宇宙センター(共同)
宇宙船スターライナーの模型。搭乗や緊急時の離脱などの訓練に使う=21日、テキサス州のジョンソン宇宙センター(共同)
宇宙船スターライナーの管制室=21日、テキサス州のジョンソン宇宙センター(共同)
宇宙船スターライナーの管制室=21日、テキサス州のジョンソン宇宙センター(共同)
宇宙船スターライナーの模型。搭乗や緊急時の離脱などの訓練に使う=21日、テキサス州のジョンソン宇宙センター(共同)
宇宙船スターライナーの管制室=21日、テキサス州のジョンソン宇宙センター(共同)

 スターライナーは高さ5メートル、直径4・6メートルで、円すいの上部を平らにした形。米国の飛行士2人が乗り、フロリダ州からアトラス5ロケットで打ち上げられる。ISSとの間を往復し、機能を検証する約10日間の行程だ。帰還時はスペースXが既に運用しているクルードラゴンが海に降りるのと違い、エアバッグを膨らませて米南西部に着地する。本運用では一度に4人を運び、ISSに半年間係留される。
 ISSは老朽化に伴い2030年で引退する可能性がある。その後は建設が予定される民間ステーションへの輸送にも使う構想だ。
 飛行士2人はテキサス州にあるNASAのジョンソン宇宙センターで訓練を受けてきた。ほぼ原寸大の模型で乗降手順を確認。機体の制御は自動化が進んでいるが、緊急時の操作も想定し、実機を模した装置や仮想現実(VR)のヘッドセットで習熟を目指した。
 有人飛行はクルードラゴンから4年遅れ。開発費も想定を超過しながら実用化へあと一歩に迫った。開発チームを率いたマーク・ナッピ氏は22日の記者会見で「安全と品質が最優先だ。全機能がかみ合うよう、とにかく試験を繰り返した」と強調。搭乗するバリー・ウィルモア飛行士は試験飛行について「(新型機を操る)テストパイロットの夢が詰まっている」と胸を膨らませた。

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