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原子炉領域解体延期へ 浜岡1、2号機廃炉作業で中電方針

 中部電力は廃止措置中の浜岡原発1、2号機(御前崎市佐倉)について、2023年度にも着手するとしていた原子炉領域の解体撤去を1年程度延期する方針を固めた。廃炉で発生する低レベル放射性廃棄物の一時保管方法などを見直し、作業効率化と安全性向上を図る。10日までに複数の関係者への取材で分かった。

2023年度にも着手するとしていた原子炉領域の解体撤去を1年程度延期する方針を固めた中部電力浜岡原発1、2号機(手前)=22年5月、御前崎市佐倉(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
2023年度にも着手するとしていた原子炉領域の解体撤去を1年程度延期する方針を固めた中部電力浜岡原発1、2号機(手前)=22年5月、御前崎市佐倉(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 同社の廃止措置計画によると、原子炉領域の解体撤去は計4段階の作業工程のうち、3段階目に位置付けられる。新たな作業段階に移行するためには原子力規制委員会の許認可が必要になるが、同社は現時点で第3段階着手の申請を提出していない。
 第3段階は原子炉圧力容器など炉心部の設備解体撤去が中心だ。放射性物質の安全な処理が課題となる。ただ、廃炉で出た低レベル放射性廃棄物の最終処分地は決まっていないのが現状。廃炉作業の進展によって原発敷地内で一時保管する放射性廃棄物は増えるため、同社は約1年かけて保管収納方法などを効率化させる。
 2009年度に始まった同計画は、36年度の廃止措置完了を目標に掲げる。15年度から第2段階に着手し、既にタービンなど原子炉領域周辺の解体撤去や汚染状況の調査などは順調に進められている。
 中電幹部は原子炉領域への着手延期について「社内手続きを経て近く正式発表する」と述べた。

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