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【日経平均4万円超】事業拡大続けた静岡県内企業 「革新」と「挑戦」が成長の鍵に

 日経平均株価は4日、初の4万円台に達した。バブル経済崩壊後の1990年代以降、静岡県内の主要な製造業は海外の急速な経済成長を追い風に事業を拡大し、株価は浮き沈みを繰り返しつつも上昇基調を保ち続けた。今後も不透明感が強まる時代を見極めながら、技術革新と挑戦を継続できるかが成長の鍵を握る。

 1996年の上場以来、株価の急激な上昇カーブを描いたのは浜松ホトニクス。88年に製造子会社を設立した中国などで業績を伸ばしたほか、大口径光電子増倍管がニュートリノ研究のノーベル賞受賞を後押しするなど高い技術力を国内外に示した。スズキはインドでの生産を大幅に拡大し、23年には累計生産台数が2500万台を突破。約14億人と世界最大の人口規模を誇る同国でトップシェアを築き上げ、株価も上昇トレンドが続く。
 ヤマハやヤマハ発動機もアジアで市場開拓を進めるなど、2000年代以降に急増した新興国需要を成長の原動力とした企業は多い。各社とも08年のリーマン・ショックに落ち込んだ株価が10年代は上昇に転じ、新型コロナウイルス禍の影響を受けつつもバブル期以上の水準を維持している。
 銀行株は長い低金利で低空飛行が続いたものの、観測が広がる日銀のマイナス金利解除に向けた期待感は好材料との見方も。静岡銀行を傘下とするしずおかフィナンシャルグループは好業績を受けて近年上昇し、スルガ銀行も不正融資による一時の下落から持ち直しつつある。
 静岡東海証券の内山景太社長は最高値更新を続ける日本株について、円安や中国経済減速による日本への資金流入など複合的な要因を背景に挙げる。上昇速度を予想以上とする一方でバブル期のような過熱感はなく、「日本企業の姿勢を投資家が再評価している。企業実態とかけ離れた状況ではない」と説明。半導体を中心とする高付加価値化でイノベーションの需要が高まっているとし、「急速な変化やニーズを捉え、ビジネスに生かさなければ乗り遅れていく」と語った。

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