さらばアディダス ドイツサッカー連盟、ナイキと契約へ 閣僚ら「愛国心ない」
【ベルリン共同】3本線のないユニホームなんて-。ドイツ・サッカー連盟が代表ユニホームなどのスポンサー契約を同国のアディダスから米国のナイキに乗り換えると発表し、波紋を広げている。アディダスとの契約は2026年まで。代名詞ともされる3本線入りの代表ユニホームが消えることに、閣僚らから「愛国心がない」と批判が噴出した。
連盟は21日の発表で「入札でナイキが最も良いオファーをした」と説明。27~34年の契約で男子と女子、ユースの代表のユニホームなどを提供する。経済紙ハンデルスブラットによると、アディダスは年間5千万ユーロ(約82億円)を支払う契約を結んでいるが、ナイキは1億ユーロ以上を提示した。
地元メディアによると、アディダスとの契約は70年以上に及び、1980年に当時の西ドイツ代表が初めて試合で3本線が入ったユニホームを着用した。
ハーベック副首相は「3本線のないユニホームなんて想像できない。ドイツ人のアイデンティティーの一部であり、もう少し愛国心があってほしかった」と連盟を批判。アディダスの本社がある南部バイエルン州のゼーダー州首相も「ドイツサッカーは国際的な企業間競争の駒ではない」と反発した。
ワールドカップ(W杯)で4度の優勝を誇る男子代表は2022年のカタール大会で1次リーグ敗退するなど不振が続く。大衆紙ビルトは、代表チームの低迷により連盟が財政難に陥っているとし「ノスタルジーに浸っている場合ではない」と指摘した。