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袴田さん弁護団「地裁は逃げずに判断を」 評価割れてきたDNA型鑑定【再審第13回公判】

 「きちんと判断してほしい」ー。再審第13回公判終了後の記者会見で、弁護団の伊豆田悦義弁護士は、DNA型鑑定に関する冒頭陳述に込めた思いを語った。

第13回を迎え、審理が終盤に入った袴田巌さんの再審公判=17日午前、静岡市葵区の静岡地裁(写真部・小糸恵介撮影)
第13回を迎え、審理が終盤に入った袴田巌さんの再審公判=17日午前、静岡市葵区の静岡地裁(写真部・小糸恵介撮影)

 第2次再審請求審で、再審開始を認めて袴田さんを釈放した2014年の静岡地裁決定は、弁護団が推薦した筑波大の本田克也教授(当時、現名誉教授)が手がけたDNA型鑑定について、手法や説明を「全てが全面的に信用できるとまでは判断していない」としつつ、批判的な検討を加味しても「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と捉えた。
 一方、地裁決定を取り消した18年の東京高裁決定は本田鑑定の証拠価値を否定した。審理を差し戻した20年の最高裁決定では、裁判官5人のうちの2人が反対意見で「再審を開始すべき合理的な疑いを生じさせる新証拠」と評価していた。
 その後の差し戻し審では「5点の衣類」についた血痕の「色問題」がテーマになったこともあり、検察側の即時抗告を棄却した23年の東京高裁決定は本田鑑定について判断しなかった。
 再審公判で弁護団は、本田鑑定を「かつての裁判所が抱いていたであろう『捏造などあり得ない』といった偏見や思い込みを打ち砕いた」と強調。弁護団の一員で、元裁判官の水野智幸弁護士は会見で「きょうの主張・立証を見れば、裁判所は判断することから逃げられないと思う」とした。
 

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