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てんぐ伝説で地域おこし 町の象徴 企画続々 浜松・春野町

 浜松市天竜区春野町で、てんぐをテーマにした企画が相次いで始動している。事業者や住民は地域に伝わる伝説を由来にした町のシンボルを活性化に生かそうと、アイデアを凝らす。

「春野てんぐ市」などてんぐを用いた活性化策を考える田代さん(左)と杉山さん(右)=浜松市天竜区春野町
「春野てんぐ市」などてんぐを用いた活性化策を考える田代さん(左)と杉山さん(右)=浜松市天竜区春野町


 春野町堀之内の地場産品直販施設「くまの親子・春野いきいき天狗村」は7日、マルシェ形式の催し「春野てんぐ市」を初開催する。シカ肉やシイタケなど10品目をみそで煮込む「ten具汁」を販売するほか、農家や企業などが出店する。継続して毎月第1日曜に開く予定で、同施設の杉山久美子さんは「焦らず着実に続けていく。新たな企画や商品開発につながる場としたい」と話す。
 町内の秋葉山には古くから、てんぐの姿をして火難から人々を救った火防(ひぶせ)の神「秋葉三尺坊大権現」の伝承が残る。まちづくりにも生かし、1986年には縦8メートル、幅6メートル、鼻の高さ4メートルの巨大なてんぐ面を現在の春野文化センターに設置した。てんぐの名を冠した駅伝大会が行われるほか、近年は商品開発に起用される動きもある。
 天竜区内などで活動する袋井市のオカリナ奏者、松島花帆莉さんはてんぐをモチーフにしたオカリナを使い、ピアスやストラップの販売も手がける。「見ていてかわいらしさを感じる。てんぐグッズを珍しがり、イベントで手に取ってくれる人は多い」と話す。
 2022年、春野町に移住した田代起也さん(34)は「TEN GOOD(テングッド)プロジェクト」を始動した。シイタケやサンショウ、キュウリなど地元産の具材にこだわった「はるのバーガー」を考案したり、犬居城跡をめぐるイベントを開催したりと多彩なプログラムを企画する。田代さんは「てんぐの存在とともに春野の魅力を広く発信していきたい」と語る。
 (天竜支局・平野慧)

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