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大自在(4月18日)アルバート・アインシュタイン

 20世紀を代表する物理学者アルバート・アインシュタイン。相対性理論を発見し、1921年度のノーベル物理学賞を受賞した。多大な業績を残した天才がこの世を去ったのは、55年のきょう4月18日のこと。
 1879年ドイツ生まれ。大学を出てスイス特許庁の職員になり、仕事の傍ら物理学の研究に打ち込んで「特殊相対性理論」などの優れた論文を発表した。1909年に退職した後は、各地の大学で教授などを務めた。
 積極的に政治的発言をした科学者でもある。米ソの核開発競争が始まると、英国の哲学者バートランド・ラッセルと、当時一流の科学者11人による「ラッセル・アインシュタイン宣言」をまとめて核兵器廃絶と科学技術の平和利用を訴えた。
 ユダヤ人であるアインシュタインは母国ドイツで活動した時期もあるが、ナチスが台頭してユダヤ人を弾圧したことで国外に逃れざるを得なかった。後に米国に移住し国籍を取得した。
 ユダヤ人の祖国復興運動であるシオニズムを支援した。第2次世界大戦後に建国されたイスラエルの初代大統領が死去した際、政府から大統領就任を要請されて断ったことがある。
 そのイスラエルは今、ガザ地区でイスラム組織ハマスを攻撃して多数の民間人犠牲者を出し、イランとは報復合戦に陥りそうな情勢だ。米国による日本への原爆投下に衝撃を受けたアインシュタインは演説で「われわれは戦いに勝利したが、平和まで勝ち取ったわけではない」と述べた。イスラエルが望んでいるのは勝利、それとも平和、さてどちらだろうか。

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