あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 編集部セレクト

【ゴジラー1.0】アカデミー賞受賞 浜松ロケシーンの視覚効果に高評価 静岡県内関係者も歓喜

 浜松市などでロケを行った映画「ゴジラ―1・0(マイナスワン)」が第96回米アカデミー賞の視覚効果賞に選ばれた11日、静岡県内の関係者やファンから、日本映画初の快挙に喜びの声が上がった。

遠州灘で撮影された実写木造船や海と視覚効果(VFX)が融合した海上シーン(©2023 TOHO CO.,LTD.)
遠州灘で撮影された実写木造船や海と視覚効果(VFX)が融合した海上シーン(©2023 TOHO CO.,LTD.)
浜名湖のロケ風景。遠州灘・浜名湖ロケは2022年4~6月に行われた(浜松市提供)
浜名湖のロケ風景。遠州灘・浜名湖ロケは2022年4~6月に行われた(浜松市提供)
「ゴジラ-1.0」観賞後に記念撮影をする観客=11日午後0時35分ごろ、静岡市葵区の映画館「シネシティザート」
「ゴジラ-1.0」観賞後に記念撮影をする観客=11日午後0時35分ごろ、静岡市葵区の映画館「シネシティザート」
遠州灘で撮影された実写木造船や海と視覚効果(VFX)が融合した海上シーン(©2023 TOHO CO.,LTD.)
浜名湖のロケ風景。遠州灘・浜名湖ロケは2022年4~6月に行われた(浜松市提供)
「ゴジラ-1.0」観賞後に記念撮影をする観客=11日午後0時35分ごろ、静岡市葵区の映画館「シネシティザート」

 同作の上映が続く静岡市葵区の映画館「シネシティザート」では、午前10時20分から午後0時35分までの回を約30人が観賞した。上映終了後に受賞を知る観客もいた。朝のテレビニュースで候補作入りしていることを知り、夫を連れて見に来た宮本淳子さん(61)=同市=は「欧米の作品に比べて視覚効果の担当者が少人数だと聞いたがすごい映像だった。見ている間に受賞したらどうしようと上映前に夫と話していた。授賞式と同じ時間帯に見られてうれしい」と話した。
 同館の鈴木秀一支配人(44)によると同作はリピーターが多く、上映開始から5カ月目に入っても安定した客入りが続く。当面の続映が決まり、アカデミー受賞作としてさらなる盛り上がりを期待するという。鈴木支配人は「海や銀座のシーンは強烈だった。ゴジラ、『君たちはどう生きるか』のアカデミー受賞2作を上映できるとは、映画館としても幸せだ」と話した。
 浜名湖や遠州灘での撮影や広報イベントに協力した浜松フィルムコミッションの原田憲治室長(53)は、同作のノミネート後、山崎監督から浜松でのロケシーンが特に評価されたと打ち明けられた。「浜名湖、遠州灘でのロケは水面の色合いが時間によって変化してしまったり船酔いする出演者が続出したりと映画撮影の中で一番大変だったと聞いた。制作陣の苦労が結実したこと、その一助にわれわれがなれたことを大変うれしく思う」と喜んだ。
 同市の中野祐介市長は「浜松で撮影したこと、他のノミネート作品と比べて製作費が数百億円も少ないと言われている中で世界一の称号を得たことは、日々知恵を絞って研さんを重ねる地域のものづくり企業にも大きな励みになる」とコメントし、祝意を表した。
 同市は受賞を祝し、同市浜名区の浜名湖サービスエリアに設置されている「実物大ゴジラ足跡」の展示期間を26日まで延長すると発表した。
 2018年以降、毎秋の「熱海怪獣映画祭」が定着している熱海市は、1955年公開のシリーズ第2作「ゴジラの逆襲」の原作者香山滋さんが同市の温泉旅館で執筆したと伝わるなど、同シリーズとは古くから縁がある。62年公開の「キングコング対ゴジラ」は市内の「熱海城」が破壊される作品として知られる。
 映画祭運営法人の水野希世代表(39)は「ゴジラをはじめとした日本の特撮怪獣映画は、円谷英二特技監督から始まり、今日まで美術、造形、操演、光学撮影、CG技術など多くのスタッフが、素晴らしい映像をつくってこられた。長年の積み重ねが、ゴジラ70周年に評価されたように感じる」と話し、先人の功績にも思いをはせた。
 今秋の映画祭開催へ向けて、中心メンバー6人と準備を進めている。「8日の第47回日本アカデミー賞では多くのゴジラ作品に関わった特殊美術造型の村瀬継蔵さんが協会特別賞を受けた。『マイナスワン』のオスカー獲得、シリーズ70周年と併せ、今年の映画祭はお祝いムードを高めたい」と意欲をみせた。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

編集部セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む