テーマ : 編集部セレクト

静岡鉄道沿線の空き家再生 にぎわい創出へ 商業施設や社員寮新設

 静岡鉄道(静岡市葵区)が、静岡清水線沿線の空き家や空き店舗の再生を通じた各停車駅付近のにぎわい創出に力を入れている。既存建物を商業施設やシェアハウスに改装し、今月下旬から順次稼働を始める。沿線各地の特色を分析した上で楽しさや満足感を高める仕掛けを施し、住民間の関係性強化や交流人口増加を促す。

静岡鉄道が開設する「スバコ」=15日午後、静岡市葵区
静岡鉄道が開設する「スバコ」=15日午後、静岡市葵区


 同区鷹匠の日吉町駅近くで20日、県内企業で働く20~30代向けのシェアハウス「スバコ」を開設する。「シェア型社員寮」と銘打ち、施設内でセミナーやイベントを毎月開催し、自己啓発や入居者同士の交流の場を提供する。
 鉄骨造り3階建ての住宅を全面改装し、10~15平方メートルの冷暖房付き居室計10部屋と、談話室やダイニングキッチン、トイレ、浴室などの共用スペースを整えた。既に4社計5人が入居を決め、現在も応募を受け付けている。
 同区の音羽町駅に隣り合う雑居ビル1階では22日に商業施設「オトワ フードホール シート」が開業する。約2年前に閉店したしずてつストア音羽町店跡の一部(約230平方メートル)が、最大で五つの軽飲食店が集まって26席の座席を共有するフードコートに生まれ変わる。
 音羽町に住む30代以下は人口全体の約3割と少なく、同施設で総菜や菓子、クラフトビールなどを提供して若者を誘客し、関係人口の増加とにぎわいの創出を図りたいという。
 静岡鉄道不動産ソリューション事業部の担当者は「人脈強化や郷土愛の醸成に資する仕組みを構築し、静岡に活力を与えられる人材が定着する街にしたい」と話す。
 (経済部・駒木千尋)

いい茶0

編集部セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞