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下田ディアナ号 慰霊祭 幕末の露軍艦 ウクライナ侵攻後初

 江戸時代からロシアと交流のある下田市で16日、ロシア使節のプチャーチン提督が率い来航した軍艦ディアナ号乗組員らの慰霊祭が執り行われた。2022年2月のウクライナ侵攻勃発からおよそ2年、事実上途絶えていた関連行事が限定的に再開された。

ディアナ号乗組員の墓所に手を合わせる杉坂太郎代表ら参列者=16日午前11時15分ごろ、下田市の玉泉寺
ディアナ号乗組員の墓所に手を合わせる杉坂太郎代表ら参列者=16日午前11時15分ごろ、下田市の玉泉寺

 慰霊祭が開かれたのは、乗組員らロシア人の墓地がある玉泉寺。市や商工観光団体などから約20人が参列し、墓地で献花に臨んだ。同寺には米国のペリー艦隊乗組員も眠り、参列者は米露双方に祈りをささげることで混沌(こんとん)とした世界情勢の平穏へ願いを込めた。
 元々ロシア関連の慰霊祭は市が中心となって実施していたが、国際情勢を考慮して21年を最後に翌年から中止に。今回はこの日始まった下田開港170周年事業の一環として「亡くなった方を節目の年に純粋に慰霊する」(松木正一郎市長)との方針で、市と周年事業の実行委が主催、開催した。
 ロシアとの交流促進に尽力し2月に逝去した石井直樹元市長は生前、静岡新聞社の取材に「政治と交流の歴史は切り離して考える必要がある」と話していた。参列した日本・ロシア協会下田支部の杉坂太郎代表(79)は「このような時代だからこそかつての交流に目を向け、平和のために下田の地から訴えられるメッセージがあるはず」と前を向いた。

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