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【WEB限定】御殿場西高野球部 天国の恩師に届けた1勝「森下先生が力を貸してくれた」 春季静岡県大会予選開幕

 春季高校野球静岡県大会の出場校を決める予選が20日、あしたか球場などで開幕した。1回戦に臨んだ御殿場西は森下知幸前監督が1月16日に62歳で急逝。森下氏の常葉菊川(現常葉大菊川)高時代の教え子で、前副部長の竹内健人氏が新監督に就いて初の公式戦で、難敵の桐陽に延長十回タイブレークの末3―2で競り勝ち、天国の恩師に勝利を届けた。

勝利を決め、笑顔を見せる御殿場西バッテリー=あしたか球場
勝利を決め、笑顔を見せる御殿場西バッテリー=あしたか球場
桐陽―御殿場西 延長10回御殿場西2死一、三塁、竹下が勝ち越し打を放つ=あしたか球場
桐陽―御殿場西 延長10回御殿場西2死一、三塁、竹下が勝ち越し打を放つ=あしたか球場
勝利を決め、笑顔を見せる御殿場西バッテリー=あしたか球場
桐陽―御殿場西 延長10回御殿場西2死一、三塁、竹下が勝ち越し打を放つ=あしたか球場

 試合前日には加藤優弥主将が森下前監督の遺族を訪ね「初戦、頑張ってきます」と線香を手向けた。ナインは試合前に黙とうをささげた後、笑顔でグラウンドに飛び出した。
 試合は2―2で迎えた延長十回2死一、三塁、主砲竹下颯人が甘く入った変化球を中前にはじき返して勝ち越し。その裏を1年の左腕横沢空河と進士駆天のバッテリーが無失点に抑えた。「森下先生は自分たちに期待してくれていた。勝ててほっとした」と竹下。
 公式戦初完投の横沢は「タイブレークの先頭を三振にした時には森下先生が力を貸してくれたように感じた」と明かし、5度の盗塁阻止で後輩を助けた強肩捕手の進士は「公式戦初勝利は自信につながる」とうなずいた。
 竹内監督は就任時に掲げた「バントなし、サインなし、選手主体の野球」を実行。先頭打者が4度出塁したがいずれも送らず、無死一、二塁のタイブレークも強攻。「自分たちらしさを貫き、森下先生が喜ぶような、見ていて面白いゲームがしたかった。笑顔でやり切った選手を褒めたい」と初志貫徹した。
 次戦は最速150キロの大型右腕小船を擁する知徳が相手。加藤は「結果を恐れず、思い切ってやりたい」と全力プレーを誓った。
(運動部・結城啓子)

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