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留学生受け入れ増へ「助言役」配置、高校後押し 静岡県教委 生徒の異文化理解期待 

 静岡県教委は2024年度、静岡県立高校の海外留学生の受け入れ体制整備に向けた取り組みとして、新たに「国際交流アドバイザー」を教育政策課に配置する。低調が続く各校の外国人留学生受け入れをサポートし、生徒が日常的に外国人生徒と触れ合う機会の創出を目指す。

県内公立高生徒の留学状況
県内公立高生徒の留学状況

 外国人留学生の受け入れの効果として「普段の学校生活の中で生徒が異文化理解、視野を広げることにつながる」(県教委担当者)との期待があるが、県内公立高での実績は少ない。教育政策課によると、新型コロナウイルス禍前の19年度は、県内公立高の227人が短期留学(3カ月未満)をした一方、海外からの留学(1カ月以上)を受け入れたのは9校11人にとどまった。
 県内では共働き家庭の増加などの影響で、受け入れ可能なホストファミリーが減少しているほか、学校側も日本語習得が不十分な生徒に対応する負担などが課題となっている。
 課題解決のため、県教委が24年度から導入する国際交流アドバイザーには、国際交流の知見を持つ校長経験者を起用する予定。留学生に対応するノウハウを持つ学校が限られている点も課題と捉え、留学生の受け入れを希望する高校に対して助言したり、モデル事例を伝えたりする。国際交流協会などの支援団体と連携し、ホストファミリーの掘り起こしにも力を入れる。
 円安などによる留学コスト上昇で県内の高校生が留学しにくい状況もあり、県教委は海外留学生の受け入れで、国際感覚に触れられる教育環境を整えたい考え。教育政策課の秋野薫課長は「高校生のうちに海外の人の価値観に接した経験を、進路選択にも生かしてもらいたい」と意義を語った。
 (政治部・大沼雄大)

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