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昭和レトロな「ごちそう」下田プリンスホテルに登場 開業50年 当時の味再現

 半世紀前の洋食で3世代間のだんらんを-。7月に開業50年を迎える下田プリンスホテル(下田市)で、開業当時の味にこだわって再現されたメニューがビュッフェ形式で登場する。関係者は昔懐かしい昭和レトロな「ごちそう」で、旅行が活発化しそうな今夏の誘客増につなげたい考えだ。

提供する3品を仕上げる山口正博さん=6月上旬、下田市の下田プリンスホテル
提供する3品を仕上げる山口正博さん=6月上旬、下田市の下田プリンスホテル

 ビーフシチューにホタテのソテー。5日の同ホテルで「料飲スーパーバイザー」の山口正博さん(55)が準備していたのは、開業当時に在籍したシェフの力を借りて再現した品々だ。具体的なレシピは残っておらず、元料理長の朝倉穂積さん(79)=西伊豆町=から助言を受け、1年かけて完成させた。
 ビーフシチューは現在もメニューの一つだが、記念メニューはポートワインを多めに使ってまろやかな甘さに。「ホタテのソテー サフランソース」は、ホタテのヒモでだしを取り、熟成させた赤ワインを加えた。
 長年提供している「姫サザエのブルギニヨン」も用意。フランスのエスカルゴ料理を地元の海の幸でアレンジし、現在も人気メニューの一つという。
 料理長を退任後も繁忙期には同ホテルを手伝っていた朝倉さんからは「昔ながらの味わいで当時にかなり近い。伝統の味を後世に伝えてほしい」とお墨付きを得た。
 「近年、『昭和ブーム』が続いている。高度経済成長期にはまだ珍しかった西洋料理を味わってもらいたい」とは、太田章彦総支配人(55)。夏は3世代での宿泊が特に多いといい、祖父母たちが子や孫と当時の思い出を語らうきっかけにもしてほしい-と願いを込める。
 再現メニューが提供される夕食ビュッフェは7月15日から9月2日まで。食事時間は90分の予約制で1人1万450円(12歳以上。11歳以下は別料金)。問い合わせは同ホテル<電0558(22)7575>へ。

 <メモ>下田プリンスホテル 1973年7月開業で、設計は故黒川紀章氏。太平洋に面し、白浜中央海水浴場が目の前に広がる。延べ床面積約1万3千平方メートルの鉄筋5階建てで、客室数は133室。2022年度の宿泊者数は約5万2千人だった。22年にシンガポールの政府系投資ファンドに売却されたが、運営は引き続き西武グループが担っている。下田市白浜。

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