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“荒波”越えサンマ漁へ 西伊豆の漁船「豊幸丸」 日ロ関係影響、解禁から約2カ月遅れ

 西伊豆町の豊幸漁業が操業する静岡県内唯一の大型サンマ漁船「第135豊幸丸」が8日、北海道東沖の漁場に向け、同町の安良里漁港を出港した。ロシアのウクライナ侵攻に伴う日ロ関係の悪化を受けて8月中旬の大型船の漁解禁に合わせた出港を見送っていた。11月下旬まで漁を行う。

地元住民らに見送られ出港する県内唯一の大型サンマ漁船「第135豊幸丸」=8日午後、西伊豆町の安良里漁港
地元住民らに見送られ出港する県内唯一の大型サンマ漁船「第135豊幸丸」=8日午後、西伊豆町の安良里漁港

 漁場に向かうには、ロシアが主張する排他的経済水域(EEZ)の通過が必要で、拿捕(だほ)などの危険があった。また、安全性を確保するために迂回(うかい)することで燃料費がかさんだり、鮮度の保持が難しくなったりするため、出港が遅れていた。
 既に漁に出ている船の情報から、昨晩、燃料費や販売価格を考慮して採算が取れる近海でサンマが水揚げされたことが分かり、出港に踏み切った。船頭の藤井晴正さん(66)は「船によって差はあるが、一晩で大漁だったところもあったと聞いた。昨年の漁獲量を上回れるよう、遅れた分を取り返したい」と意気込んだ。
 同船は8日午後3時半ごろ、乗組員12人を乗せて出港。集まった船員の家族や地元住民が手を振って船出を見送った。夫が船の乗組員だという藤井美貴さん(42)は「世界情勢が不安定で心配もある。無事に帰ってきてほしい」と願った。

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