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よく知らない、処理が面倒...未利用魚を学校給食に 西伊豆の直売所「食料問題知って」

 知名度の低さや処理にかかる手間が理由で市場に出回らない「未利用魚」「低利用魚」を、西伊豆町仁科の産地直売所「はんばた市場」が、地元小中学校の給食メニューの食材として提供を始めた。「もったいない」を合言葉に認知度を向上させ、消費拡大に努める。

市場にあまり出回らない「ブダイ」の竜田揚げを味わう児童=10月下旬、西伊豆町(写真の一部を加工しています)
市場にあまり出回らない「ブダイ」の竜田揚げを味わう児童=10月下旬、西伊豆町(写真の一部を加工しています)
ブダイ
ブダイ
アイゴ
アイゴ
市場にあまり出回らない「ブダイ」の竜田揚げを味わう児童=10月下旬、西伊豆町(写真の一部を加工しています)
ブダイ
アイゴ

 10月下旬、西伊豆町宇久須の賀茂小などでブダイを使った竜田揚げが提供された。ブダイは海中に海藻がなくなる「磯焼け」の原因とされるものの、あまりなじみがなく食べられていないという。栄養教諭の水口朋美さん(41)は「地元の魚を知ってもらう良い機会。社会問題についても考えるきっかけになる」と話す。初めて食べる児童も「歯ごたえがいい」「あっさりしていておいしい」と味わっていた。
 はんばた市場には、ブダイやアイゴなど食卓でなじみのない魚がイカなどの旬の海産物に混じって並ぶ。値が付かず廃棄される魚を買い取って販売し、漁師不足で減少する漁獲量の回復につなげる取り組みだ。地元漁港で捕れる魚を仕入れて販売することで運送費や市場利用料を削減し、市場に出回らない魚が一般の消費者に届く仕組みを実現した。
 未利用・低利用魚の認知度向上や食べ方の提案にも注力している。同月には、未利用魚や未利用資源を販売するイベントを開催。未利用・低利用魚や低利用資源のワサビの葉を使った総菜などを店頭に並べた。今後は地元の水産加工会社と共同で、未利用・低利用魚を使った商品の開発も検討している。
 はんばた市場の開設に関わり、水産資源振興を進める町職員の松浦城太郎さん(42)は「知られていないだけでおいしく食べられる魚。西伊豆でしか食べられない名産品化を進めることで、地域活性化にもつながる」と期待する。

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