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西伊豆の秘境で非日常 アウトドア初心者でも簡単? 記者2人が初キャンプ【しずおかアウトドアファン】

たき火を起こして初めてのキャンプを楽しむ=3月中旬、西伊豆町田子のアクアビレッジ
たき火を起こして初めてのキャンプを楽しむ=3月中旬、西伊豆町田子のアクアビレッジ

 近年ブームが加速しているキャンプ。西伊豆町田子のキャンプ場「アクアビレッジ」は1日1組限定で、スタッフが手取り足取り指導してくれるそう。初心者でも簡単? 経験皆無の記者(33)が、同じく未経験の後輩記者(27)を誘って挑戦してみた。   photo03   photo03 山に囲まれ、駿河湾の眺望が美しいアクアビレッジ(ドローンからパノラマ撮影)
 集合場所の田子漁港からワンボックス車で山道を15分。眼下にいきなりキャンプ場が現れた。目の前は真っ青な海原。周囲を山に囲まれ、秘境感が満点だ。景色だけで心が躍る。条件が整えば港から船で向かうそう。

  photo03 テント設営に必要な道具など   photo03 スタッフに教わりながらテントを張る
 「ここでは一人一人が“村人”。あなたが村長です」。スタッフの上田和弥さん(28)の声が響く。が、何をすればいいのか分からない。上田さんに尋ね、まずはテントの設営から。地面に“部屋”となるインナーシートを置き、ポールを立てる。雨よけのフライシートをかぶせ、周囲にペグを打ち込んで固定すれば完成だ。所要時間は10分ほどで、慣れればもっと早くできそう。内部は思った以上に広い。2人で寝っ転がっていると、上田さんの声が。「開けっ放しにしないで! 虫が入ってきますよ」。慌てて入り口のファスナーを閉める。
  photo03 たき火に使うまき
 キャンプと言えばたき火。まき用の太い木をハンマーで割る。なかなかの重労働だ。たき火台の上に木を組み上げ、着火剤に点火するとすぐに炎が上がった。夕日が沈む光景に心も温まる。「たき火台の下には必ず耐火マットを敷いてください。芝が熱で傷んでしまいます」と上田さん。
 次はお待ちかねの夕食だ。町内の直売所で購入した魚介や野菜にジビエ(野生鳥獣肉)を炭火で焼いた。特産品に思わず頬が緩む。
  photo03 意外に広いテント内に寝袋を敷く
 満腹になって一段落すると、空には星々が。一段と輝いて見えるのは、キャンプを満喫している証拠だろうか。外は肌寒いが、テントで寝袋に入れば十分に暖かい。すぐに寝入ってしまった。
  photo03 朝食のしおかつおうどん
 ザザーッ、ザザーッ。午前5時、昇った朝日が反射する海面に見とれていると、後輩が朝食を振る舞ってくれた。そして撤収の準備。テントの解体は2人であっという間だった。
 「縛られることは何もありません。工夫次第で何でも自由にできる。壮大な『遊び』なんです」。上田さんの言葉にうなずいた。後輩は「こんなに楽しいと思いませんでした。今度は妻と来てみたいです」。次回はソロキャンプで“1人村長”になりそうだ。
 (文/下田支局・伊藤龍太、松崎支局・太田達也、写真/山川侑哉)  アクアビレッジは時期によって6~10人以上からの利用。取材は特別に許可を得て実施した。

  photo03 地元の特産物をキャンプ飯に
 キャンプ飯 野外で食べる「キャンプ飯」も醍醐味[だいごみ]の一つ。西伊豆町田子の伝統保存食「潮かつお」を使った、地元で親しまれる「しおかつおうどん」を作ってみた。
 ゆでたうどんに潮かつおふりかけや刻んだなまり節を載せ、麺つゆをかけて完成。汁なしうどんなのでよく混ぜて食べる。潮カツオの程よい塩味と食感が心地よい。
 「余り物や限られた道具でレシピを考えるのもキャンプならではですよ」と上田さん。開放的な空間で自由な発想を試せるのが、キャンプ飯の魅力なのかもしれない。

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