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日本の小説、欧米へ サンプル英訳作成 文化庁が取り組み支援

 日本の小説の面白さを欧米にも広めようと文化庁は、外国の出版社への売り込みに使うサンプルとして作品の一部を英訳する取り組みを支援している。英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門で2022年に川上未映子さんの小説「ヘヴン」が最終候補に残るなど近年、女性作家の作品を中心に海外で注目を集めており、普及を狙う。
 翻訳版を展開しようとする作品を出版社に提示してもらい、同庁が依頼した有識者が内容や需要などを審査して作品を選ぶ。サンプル版を作るのは出版社で、文化庁はその費用を助成する。
 アジアでは日本に精通した出版社が翻訳本を手がけ、人気を得ている作品は少なくない。審査では、サンプル版が日本の風土を反映した上で作品の魅力を伝えられるかどうかも見る。
 助成額は1件当たり50万円程度で、24年度以降も続ける。文化庁の担当者は「日本の作品への関心は高い。村上春樹さんのような世界的な作家、作品の誕生につながってほしい」と話している。

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