【鳥山明さん死去】静岡県内ファン追悼「もっと描いてほしかった」 書店に「ドラゴンボール」特設コーナーも
日本を代表する漫画家の鳥山明さんの訃報が伝わった8日、静岡県内でもファンを中心に、幅広い世代から悲しむ声が上がった。
愛知県出身の鳥山さんは浜松市浜名区三ケ日町の浜名湖畔に別荘を持ち、家族と度々訪れていた。同じ別荘地に住む自営業の男性(72)は「会う機会はなかったが、ドラゴンボールは昔からよく読んで楽しませてもらった。もっとたくさんの作品を描いてほしかった」と悼んだ。
訃報を機に鳥山さんが残した作品群に、改めて関心が集まっている。JR浜松駅ビル「メイワン」の谷島屋浜松本店は、代表作「ドラゴンボール」などをそろえた特設コーナーを設け、追悼メッセージを添えた。同店によると、この日は関連作品を手に取る市民の姿が見られた。自身も小学生以来のファンという内藤賢久店長(51)は「鳥山先生の作品を読んで、つらいことも笑い飛ばせた。今はただありがとうと言いたい」と声を震わせた。
鳥山さんはゲームシリーズ「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザインも手がけた。中高時代を裾野市で過ごした神奈川県の大学生長嶺百花さん(20)は「迫力がありながら、かわいらしく親しみを持てるモンスターのデザインが魅力だった。本当に残念」と鳥山作品への愛着を語った。
静岡市駿河区の市立日本平動物園は2019年11月、開園50周年事業の一環でアニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」とのコラボイベントを開催した。主人公「孫悟空」による園内アナウンス、クイズラリーなどを展開。企画運営を担当した市動物協会企画広報係の大石智彦さん(41)は「子どもだけでなく親世代からも反響があり、県民の思い出に残るイベントだった。まだまだ作品を見たかったので、ショックを受けた」と別れを惜しんだ。