再審法改正へ「静岡県 先頭に」 日弁連会長 知事と27日面会【最後の砦 刑事司法と再審】
日本弁護士連合会の小林元治会長は6日、静岡新聞社の取材に対し、川勝平太知事と27日に面会することを明らかにした。不備が指摘される再審法(刑事訴訟法の再審規定)について、改正への賛同を求める。小林会長は「県民の代表として先頭に立っていただけるとありがたい」と述べた。
27日は、2014年に静岡地裁が袴田巌さん(87)の再審開始と死刑・拘置の執行停止を認める決定を出し、袴田さんが釈放されてから10年の節目を迎える。また、終盤に入った袴田さんの再審公判で法医学者らの証人尋問が予定される。
これに合わせ、日弁連の再審法改正実現本部のメンバーが本県を訪れる。街頭活動などに参加し、袴田さんの地元から法改正の機運を盛り上げる狙いがある。小林会長は知事との面会について「法改正へのメッセージをいただきたい」とした。
これまでに北海道議会と岩手、山梨、三重の各県議会を含む全国210を超える地方議会が、国に再審法の改正を求める意見書を可決している。小林会長は、法改正の論点を学ぶための研修会を開いた静岡県議会の動向にも関心を寄せた。
再審法の改正を巡り、11日には早期実現を目指す超党派の国会議員連盟が発足する。任期満了のため3月末で退任する小林会長は6日、最後の定例記者会見に臨み「やっと議連が立ち上がる」と期待感を示した。
(社会部・佐藤章弘)