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テーマ : 清水エスパルス

⚽海外から古巣に復帰1年 26歳FW北川航也 清水の航路を切り開く【しずスポ】

 J2清水のFW北川航也(26)=清水ユース出=が初の海外移籍から古巣に復帰して、もうすぐ1年がたつ。「起こり得ること全てが自分には大事」。決して思い通りでない道のりの中でも、クラブと自身の未来を見据え、歩んでいる。

栃木戦の後半、攻め込む清水・北川=アイスタ日本平(写真部・二神亨)
栃木戦の後半、攻め込む清水・北川=アイスタ日本平(写真部・二神亨)
栃木戦の後半、攻め込む清水・北川=アイスタ日本平(写真部・二神亨)


 昨年6月、オーストリア1部ラピッド・ウィーンからJリーグに戻る決断をした。異国の地では「自分の足りないところを考えながら過ごす毎日だった。濃い3年を過ごせた」。ただ、サッカー選手として欲していたのは継続的な試合への出場。清水への愛着も相まって、「ここでもう一度」と再びオレンジのユニホームに袖を通した。
 本拠地で迎えた昨年7月の復帰初戦。途中出場からあいさつ代わりの1発をたたき込み、サポーターを沸かせた。しかし、その後の9試合は不発。最終節はけがで欠場し、チームは7季ぶりのJ2降格が決定した。
 誰よりも早く契約を更新して臨んだ今季は開幕から主力を担ったが、リカルド前監督体制では本職でない中盤右サイドでの起用が中心となった。逸機もあり、初得点は第10節まで待つことになった。
 秋葉監督体制で巻き返しを加速させるチームの中では、定位置をつかみきれていない。3日の徳島戦は先発したが、45分で交代。これまでのキャリアではほとんど経験のない、悔しい出来事だった。「力強さが今の自分には必要だと思っている」。個の力の向上を強く欲する。
 再び海外に出て活躍するという目標は胸に抱き続けている。一方、年齢を重ね、「このクラブが良くなるために」との意識も芽生えてきた。エスパルスは静岡の人たちの憧れでなければ-。積極的にファンサービスに向き合う背中に、思いがにじむ。
 背番号45が登場すると、スタジアムにはサポーターのチャント(応援歌)が響く。メロディーに刻まれるのは、「清水の未来切り開け」との言葉。「以前はあまりぴんとこなかったが、重くのしかかるものはある。でも、うれしいですよ」。期待を一身に受け止め、意気に感じ、ピッチに立つ。

 きたがわ・こうや 1996年7月26日、静岡市出身。清水ユースから2015年にトップ昇格し、18年にはJ1リーグで32試合13得点を記録。19年7月にラピッド・ウィーンに移籍し、3季でオーストリア1部49試合5得点。昨年6月に清水に完全移籍した。18年10月に初招集された日本代表では8試合に出場。

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