【一問一答】「サウダージな心境」反町新GMが就任会見 清水エスパルス
清水エスパルスの反町康治新GMが就任記者会見で「アカデミーも含めてしっかりと基盤をつくり、強いエスパルスをつくり上げるのがミッション」と意気込みました。清水東高時代ぶりの清水での生活は、ポルトガル語で郷愁などを意味する「サウダージ」な印象だそうです。
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主な一問一答は次の通り。
―どういうチームづくりをしたいか。
「スタッフが気持ちよく仕事できるような環境づくりがまず必要。当然選手も同様にいい環境、いい練習、いいミーティング、いい移動、いい試合を迎えるための食事。このような環境をしっかり整えたい。どこのチームも同じだが、誰かがいなくなったらチーム力が落ちてしまうことがないように、監督と相談しながら盤石な体制をつくっていきたい」
―経験をどうチームに生かすか。
「クラブの中でのこうした立場は初めて。逆に秋葉監督の気持ちも十分分かるところもある。しっかりとコミュニケーションをとってチーム力を上げられるように前向きにいろんなことにトライしていきたい」
―どのようなGMを目指しているか。
「基本的な立ち位置は裏方。選手やスタッフのリクエストをしっかり受けた上で整理をして、課題に向き合えるものであれば採用し、そうでなければとどめておく。とにかくチームが強くなるために、中長期的な部分もあるかもしれないが、しっかり考えながら意思決定していきたい」
―育成型クラブとして、伸び悩む選手をどうフォローするか。
「これは日本のサッカーの一つのポイント。選手は段階を追って成長していくが、どこかで壁にぶつかったりチャンスが少なくなったりという部分は出てくる。そうしたときに試合の環境を変えてあげるとか、指導者がいいアドバイスを与えるとか、環境を変えるとか刺激は必要になってくる。そういったことを積極的に取り入れて前進していきたい」
―サッカー王国静岡に対するイメージは。
「私が育ってきた環境は、常にサッカーボールがあり、対戦相手がいて、週末は試合があって、それはもう子どものころは日常のようにやっていた。とにかくボールを蹴るのが楽しい、それが日常だった。小中高と競技レベルは上がるが、一心不乱に取り組んできたのが全体の層となり、静岡のレベルが上がってきた。中体連、高体連とJアカデミーが共存しながら競争する環境もしっかり準備しなければいけない」
―外から清水をどう見ていたか。
「やっていること自体は間違っているとは思っていない。選手層や誰かへの依存という面で他クラブと少し劣っていたかもしれない。その反省を基に、今年はいいスタートを切っている。不足する部分や課題は出てくるので補えるように努力したい」
―清水らしいサッカーのイメージは。
「選手みんなが明るく楽しくボールに関わるサッカーをやってきたと思う。そういう基本があってこそ、どんどん底上げされていくと思っている。そこの部分は忘れずにやってほしい。サッカーだけやっていればいいというわけではなく、今は社会性も問われる時代。そういう教育もして人間性を養い、サッカーでもしうまくいかなかったとしても、一社会人として立派な人間になってほしい」
―オファーを受けてどう感じたか。
「非常にありがたい話だという印象を受けた。関係者から熱烈に誘ってもらい、心が動かされた。(技術委員長退任後の)4月に入ってから改めて書籍を読んだりチャンピオンズリーグを見たりしてサッカー脳を鍛えた。勉強してすっきりした状態で就かせてもらった」
―J1復帰に向けて一番大事なことは。
「人生と同じでいいときも悪いときもある。サポーターも含めて一つになって前進することが大事。選手だけではなく、スタッフ、関係者も強い意志を持たないといけない」
―現在首位。秋葉監督のつくり上げたサッカーの評価は。
「着実に選手の持っているポテンシャルを生かしながらステップ・バイ・ステップでチームを強くさせてきている。波が少なく、どの試合も平均以上のパフォーマンスを出している」
―高校時代ぶりに清水に戻った感想は。
「ポルトガル語でいうと(郷愁などを意味する)『サウダージ』。やはりここでずっと育ってきて、いろいろな指導者にお世話になって今の自分がつくられた。そうした場所に仕事として帰って来られて清水のサッカーに貢献できる。非常にサウダージな心境」