⚽清水エスパルス 大宮に勝利、自動昇格に王手 J2第41節
明治安田J2リーグは4日、第41節の6試合が行われ、2位の清水は大宮を4―0、3位の磐田も水戸を5―0で下した。勝ち点は清水73、磐田72で自動昇格圏争いは最終節までもつれることになった。5日に栃木と対戦する4位東京Vにも自動昇格の可能性が残っている。清水に敗れた大宮は自動降格圏の21位が確定した。
②アイスタ(清水2勝)▽観衆18431人
清水 20勝13分け8敗(73) 4(2―0 2―0)0 大宮 11勝6分け24敗(39)
▽得点者【清】チアゴサンタナ(11)カルリーニョス(15)岸本(3)乾(10)
【評】清水は大宮を攻守で上回り、快勝した。
前半2分、チアゴサンタナがゴール前で左足を振り抜き、先制。相手を押し込んで攻め立てると、前半終了間際にはクロスのこぼれ球をカルリーニョスが流し込んで加点した。
後半も勢いは止まらない。18分に岸本がミドルシュートを沈めると、5分後にはカウンター攻撃から乾が仕留めて点差を広げた。相手の圧力を受けた終盤は高い集中力で守り、無失点で締めた。
前節逆転負けの悪夢払拭
前節の逆転負けでよぎった一抹の不安を払拭する清水の快勝劇だった。降格阻止へ後がない大宮を圧倒し、J1自動昇格圏の2位をキープ。磐田の勝利によって今節での昇格はなくなったが、本拠地での今季リーグ最終戦を白星で締めくくり、昇格に王手をかけた。
電光石火のゴールで幸先よく滑り出した。開始1分余り、クロスのこぼれ球に反応したFWチアゴサンタナが左足を振り抜いた。鋭い弾道で6試合ぶりにネットを揺らすと、「得点を取れず少し悩んでいた」という背番号9は拳を振りながら感情を爆発させた。
先制点の起点となったのは、敵陣でのボール奪取。相手に食らいついたMF乾が体勢を崩しながら奪いきり、味方につないだ。前節の痛恨の敗戦を受けて秋葉監督が強調してきた「凡事徹底」を体現して球際の争いで上回り、主導権を握った。
苦い経験も生かした。前節で同点弾を許して相手に流れを渡した前半の追加時間に、FWカルリーニョスが蹴り込んで加点。勢いに乗って折り返すと、後半でさらに畳みかけた。「前節とは違う姿を見せられたと思う」。とどめを刺すチーム4得点目を決めた乾がうなずく。
昇格争いのライバルに勝ち点1差をつけて、最終戦に向かう。主将のDF鈴木は「持っているものを全てぶつけ、J1へ返り咲く」と満員のスタンドに向けて力強く宣言した。
(運動部・市川淳一朗)