サッカーＵ―２３国際親善試合　日本、マリに逆転負け　隙を突かれて３失点

運動部　山本一真

　パリ五輪出場を目指すサッカー男子のＵ－２３（２３歳以下）日本代表は２２日、京都府亀岡市のサンガスタジアムｂｙＫＹＯＣＥＲＡで行われた国際親善試合でＵ－２３マリ代表に１－３で敗れた。

日本―マリ　後半４５分、マリに３点目を奪われた日本＝サンガスタジアムｂｙＫＹＯＣＥＲＡ（写真部・堀池和朗）

【写真特集】日本―マリ　サッカー男子Ｕ－２３国際親善試合（３月２２日）
　五輪アジア最終予選を兼ねたＵ－２３アジア・カップ（カタール）は４月１５日に開幕する。マリは五輪出場を決めており、日本がアジア杯で３位以内に入った場合は五輪で同じ１次リーグＤ組に入る見込み。
　日本は２５日にミクニワールドスタジアム北九州でＵ－２３ウクライナ代表と対戦する。

Ｕ―２３マリ　３（１―１　２―０）１　Ｕ―２３日本
▽得点者【マ】サンギャレ（前３４分）トゥンカラ（後８分）Ｂ・トラオレ（後４５分）【日】平河（前２分）

　【評】日本は３失点で逆転負けした。前半早々、山田楓のＦＫを起点に平河が右足で決めて先制。３０分過ぎにボールを奪われて追い付かれると、後半には守備の隙を突かれて２失点。川崎や途中出場した細谷が攻め込んだものの、ゴールの枠を捉えられなかった。マリは立ち上がりこそ動きが重かったが、身体的な強さで上回って球際の攻防で優位に立った。
　前哨戦　個人技に屈す　生命線のプレス無力化
　日本はパリ五輪に出場すれば１次リーグで同組となるマリとの“前哨戦”で課題を突きつけられた。身体能力と個人技で生命線のプレスを無力化され逆転負け。大岩監督（清水商高出）は「ふがいない」と厳しい表情だ。
　不在の海外組は五輪予選のＵ－２３（２３歳以下）アジア杯にも招集できない可能性がある。その中で指揮官は「誰が出場してもコンセプトを理解し完成度を高める」ことを求めたが、屈強なアフリカ勢にはね返された。
　立ち上がりこそ鋭いボール奪取で押し込み、前半２分に山田のＦＫを植中（横浜Ｍ、ＪＦＡアカデミー福島出）が頭でそらしたところに平河が反応して先制。だが、その後はボールを保持できない。前半３４分にミスから追い付かれ、後半は２失点した。
　その中で、初先発した植中は最前線まで顔を出し、前半４４分には単身のプレスからボールを奪ってシュート。追加招集された昨秋のアルゼンチン戦に続く２度目の選出で存在感を示し、「持ち味は出せた。さらにビルドアップで積極的なプレーを見せたい」と生き残りへ躍起だ。
　３週間後にはアジア杯が始まる。もう一度チームが掲げる「攻守でアグレッシブなサッカー」を取り戻せるか。２５日のウクライナ戦は真価が問われる。
　（山本一真）

　前に行く形見せた
　大岩剛・Ｕ－２３日本代表監督（清水商高出）の話　積極的な姿勢、前に行く形は見せることができたと思う。ただ、結果がついてこなかったので、次のウクライナ戦に向けていい準備をしたい。

　平河、先制点も
　日本は開始直後のセットプレーから先制点が生まれた。右サイドでＦＫを獲得すると、山田がゴール前へ蹴り込む。こぼれ球に平河が冷静に反応し、最後は右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。
　町田では昨季途中から前線での起用が増え、昇格した今季はＪ１初ゴールをマーク。４月に始まるＵ２３アジア杯では、海外組を招集できるかが不透明。そんな中で、快進撃を続ける町田を引っ張る新鋭が存在感を示した。
　（時事）