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テーマ : 動物・ペット

激減の「与那国馬」 伊豆の国で赤ちゃん誕生 沖縄に分布の日本固有種

 伊豆の国市中にある「伊豆の国うま広場」では、日本固有の馬の一種、与那国馬が元気に駆け回っている。沖縄県与那国島で系統が守られ、農耕馬として飼育されてきたが、農業の機械化が進み、個体は激減。種のピンチが叫ばれる中、5月上旬、同広場で赤ちゃんが誕生した。関係者は「市の文化の一つに」と目を輝かせる。

与那国馬に餌を与える高橋美恵さん=6月上旬、伊豆の国市中の「伊豆の国うま広場」
与那国馬に餌を与える高橋美恵さん=6月上旬、伊豆の国市中の「伊豆の国うま広場」

 同広場を運営する高橋美恵さん(49)=同市=は2020年7月、兵庫県と宮崎県から2頭の与那国馬を迎え入れ、同広場を21年5月にオープン。その後、与那国馬を3頭迎え入れ、計5頭で乗馬や餌やり、引き馬を体験してもらっていた。
 5月3日午後11時半ごろ、同広場にとって初めての赤ちゃん「朔(さく)」が生まれた。高橋さんは「心配だったが母親も無事で安堵(あんど)した」と喜びの瞬間を振り返る。雄の朔は体高約80センチにまで成長(6月上旬時点)。元気な姿で来場者を癒やしている。
 高橋さんは15年ほど前、御殿場市で初めて乗馬を体験した後、伊東市で与那国馬に出会い、人懐っこさに一目ぼれした。活躍させないともったいないと思い、自分で牧場を開こうと決心したという。
 馬は市内の催しにも参加し、特に子どもが喜んでいる。市産業部観光文化課の井上勝課長(54)は「市全体を盛り上げてくれている。これまでなかった取り組みでありがたい」と絶賛する。
 高橋さんは与那国馬の繁殖と魅力を伝えること以外にも、地域貢献活動に力を入れる。「お年寄りの散歩など目的によって馬と関わることができる活動を展開したい」と見据える。
 同広場はスタッフ不在の場合立ち入り禁止。問い合わせは同広場<電080(6040)4792>へ。

 <メモ>与那国馬 日本馬事協会が定める日本在来種8種の一つで、主に与那国島(沖縄県与那国町)に生息。体高は約120センチで鹿毛(かげ)と栗毛(くりげ)が多い。同協会によると、1970年の飼養数は約170頭だったが、近年は100頭ほどで推移しているという。

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