SFTSってどんな病気? 人へも感染可能性、マダニ対策を【ペットの質問箱】
問 先日、犬とキャンプをした時、犬の背中にダニが付いていたのですぐ取り除きました。かかりつけの先生に話すと「マダニからSFTSウイルスに感染することもあるから気を付けて」と言われました。SFTSとはどんな病気ですか。
答 SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、SFTSウイルスによる人獣共通感染症です。主にマダニが吸血することで感染し、感染した動物や患者の血液、体液に触れることで動物から人、または人から人へもうつります。県内でも2020年以降、人と犬猫で計10例以上の感染例が報告されています。
潜伏期は6~14日で、人も動物も発熱や嘔吐[おうと]、下痢などが主な症状です。人では他に頭痛、筋肉痛、意識障害、出血症状(皮下出血や下血など)が見られることもあります。血液検査では、白血球減少、血小板減少、肝酵素の上昇などが認められます。致死率は10~30%程度と高く、特に高齢者は重症化しやすい傾向にあります。確立した治療法はなく、対症療法が行われます。
予防は、マダニに刺されないことが重要です。マダニが生息する草むらや林に入る際は、人は長袖長ズボンを着用し肌を露出しないように。動物はマダニ予防薬を定期的に投与しましょう。動物に付いているのを発見したら、簡単には取れませんので、動物病院で取ってもらってください。
(山田輝貴・県獣医師会員)