ザトウクジラ、漁船下で「拾い食い」
ザトウクジラが操業中の漁船に近づき、こぼれ落ちた魚を「拾い食い」する様子を神戸大などのチームが撮影した。小魚やプランクトンの群れに突進する通常の餌捕りに対し、拾い食いはエネルギーを節約して少量食べたい場合の手段らしい。
ノルウェーの北部沿岸で2017年1月、ザトウクジラの体に小型カメラなどを吸盤で装着したり、ダイバーが海中で直接撮影したりして餌捕り行動を記録。漁船の周囲に40分以上とどまる様子や、上顎を上げて漁船から落ちた魚を食べる様子が明らかになった。
拾い食いにはクジラが網やロープに絡まる恐れや、船と接触する危険性がある。神戸大大学院の岩田高志助教は「クジラが嫌がる音を出すなど、船に近づけない対策が必要だ」と指摘している。