里山にチョウ アサギマダラ30頭、産卵も確認 富士宮・興徳寺
芝川ギフチョウ保護の会(高瀬幹雄会長)が富士宮市下柚野の興徳寺敷地内に整備したバタフライガーデンに、アサギマダラなどさまざまなチョウが飛来している。珍しい雌のアサギマダラも多く飛び交い、ガーデン内に産卵も確認された。メンバーは「まさかこんなうまくいくとは」と驚く。連日、見学者でにぎわっている。
同保護の会では地元柚野中2年の平野真央さん(14)から「アサギマダラを柚野に呼びたい」と相談を受けたことがきっかけで、同寺から無償で借りた敷地約300平方メートルにガーデンを整備。5月から市民有志ら協力者と手入れを続けている。
10月初旬に初めてアサギマダラの飛来が確認され、徐々に数が増えてきた。観察会を開いた16日はアサギマダラのほかツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハなども確認された。同日以降も連日、約30頭のアサギマダラが飛び交っているという。
ガーデンはコバノフジバカマやマリーゴールド、百日草、コスモスなど色とりどりの花で彩られた。アサギマダラの幼虫が好むキジョランの葉の裏には産卵が確認された。高瀬会長は雌が多く飛来したことを「里山の環境が良く、コバノフジバカマ以外の花もたくさん植えたことが要因ではないか」と語った。
高瀬会長の妻・文江さんは「立派なお庭になった。来年も続けたい」と協力者に感謝した。平野さんは「アサギマダラ以外のチョウもたくさん来てうれしい。チョウの楽園が実現できた」と喜ぶ。
ガーデンは誰でも見学可能。捕獲やマーキングは禁止している。