枯れ野彩る〝紅色〟の小鳥ベニマシコ 静岡市葵区の麻機遊水地【動画あり】
「フィッ、フィッ…」。朝日が差し込み始めたヨシ原から優しい鳴き声が聞こえる。2月上旬、静岡市葵区の麻機遊水地で冬鳥のベニマシコが春の渡りに備えていた。柔らかな光が全長15センチほどの小さな鳥に当たり、〝紅色の花〟のように枯れ野を彩る。
8、9の両日は、雌雄合わせて5羽ほどの群れが、餌を求めて遊水地一帯を飛び交っていた。餌を食べる様子は愛らしく、小さなくちばしを使って一心不乱に木の実や草の種などをついばんでいた。
アトリ科に属し、雄の羽の色と顔がサルのように赤いことから「紅猿子(ベニマシコ)」と名付けられたとされる。夏羽は赤色がより濃くなる。雌は全体が茶褐色をしている。国内では、北海道と青森県の下北半島で繁殖し、本州以南には冬鳥として飛来し、草地や河川敷などの林縁部で越冬する。
(写真部・二神亨)