あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 編集部セレクト

昭憲皇太后 和歌100首収録、明治天皇に続き英訳本に 25日刊行

 明治天皇の皇后、昭憲皇太后が詠んだ和歌100首の英訳を収録した「明治を綴る麗しの歌 英語で伝えたい昭憲皇太后百首」が25日、刊行される。明治天皇の和歌100首の英訳本(2022年刊行)に続き、米アンティオーク大名誉教授ハロルド・ライトさん(92)が翻訳し、明治神宮が監修。4月の昭憲皇太后没後110年を前に刊行に至った。

25日刊行の昭憲皇太后の和歌の英訳本
25日刊行の昭憲皇太后の和歌の英訳本

 ライトさんは、日本文学研究者ドナルド・キーンさん(19年に96歳で死去)に仕えた縁で、日本留学中の1964年、明治神宮から和歌の英訳を依頼された。82年に明治天皇の311首と昭憲皇太后の111首の英訳を託され、17年に明治天皇の和歌の訳が完成した後、昭憲皇太后の和歌の訳を終えて明治神宮に届けた。今回も100首を選び収録した。
 昭憲皇太后が1876年、東京女子師範学校(現・お茶の水女子大)に贈り、校歌となった「みがかずば 玉も鏡も何かせむ まなびの道も かくこそありけれ」はこう訳された。
 If left unpolished neither jewels nor mirrors are worth anything;this is also very true of the path of learning.
 明治天皇は生涯に約10万首、昭憲皇太后は約3万首の和歌を詠んだ。ライトさんは今回、本の序文で「思えば大変素晴らしく光栄な機会に恵まれた」と心情を吐露した。
 歌人の永田紅さんは解説で、「みがかずば」などの道徳的、教訓的な歌は「ハレの歌」であり意義深いが、「日常のあれこれを詠んだケの歌も多く、しみじみと趣深い」と指摘。「御歌が世界へ羽ばたくことを喜び、多くの人の心に届くことを願う」と記した。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

編集部セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む