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【米大統領選】因縁の再戦、双方に弱み 巨額罰金、隠せぬ衰え

 米大統領選の予備選が集中した5日のスーパーチューズデーで、共和党ではトランプ前大統領(77)が圧勝し、民主党のバイデン大統領(81)と本選で再び戦う見通しとなった。トランプ氏は民事訴訟で巨額の罰金を命じられ、バイデン氏は高齢による衰えを隠せない。4年前の前回大統領選を争った因縁の2人は互いに弱みを抱え、波乱含みの展開が続きそうだ。

5日、米フロリダ州の私邸マールアラーゴで演説に臨むトランプ前大統領(AP=共同)
5日、米フロリダ州の私邸マールアラーゴで演説に臨むトランプ前大統領(AP=共同)
5日、米フロリダ州の私邸マールアラーゴで演説するトランプ前大統領(AP=共同)
5日、米フロリダ州の私邸マールアラーゴで演説するトランプ前大統領(AP=共同)
5日、ホワイトハウスでの会議で演説するバイデン米大統領(ゲッティ=共同)
5日、ホワイトハウスでの会議で演説するバイデン米大統領(ゲッティ=共同)
5日、ホワイトハウスでの会議に出席したバイデン米大統領(AP=共同)
5日、ホワイトハウスでの会議に出席したバイデン米大統領(AP=共同)
トランプ前米大統領の民事・刑事訴訟
トランプ前米大統領の民事・刑事訴訟
5日、米フロリダ州の私邸マールアラーゴで演説に臨むトランプ前大統領(AP=共同)
5日、米フロリダ州の私邸マールアラーゴで演説するトランプ前大統領(AP=共同)
5日、ホワイトハウスでの会議で演説するバイデン米大統領(ゲッティ=共同)
5日、ホワイトハウスでの会議に出席したバイデン米大統領(AP=共同)
トランプ前米大統領の民事・刑事訴訟

 ▽余裕
 「われわれは結束する。すぐにだ」。トランプ氏は5日夜、南部フロリダ州の私邸で勝利演説に立ち、本選へ挙党態勢を訴えた。指名獲得をほぼ確実にした余裕を見せ、唯一の対抗馬ヘイリー元国連大使(52)には一言も触れず従来のような激しい批判もしなかった。
 トランプ氏は2021年の議会襲撃事件などで起訴され、選挙への出馬資格を巡って訴訟を起こされた。ヘイリー氏はトランプ氏が本選を戦えない状況になった場合、自分が取って代わる可能性に懸けていた。
 だが連邦最高裁が4日に出馬資格を認めた。ヘイリー氏はまたも大敗を喫し、望みを絶たれた。
 ▽枯渇
 意気軒高のトランプ氏だが、本選に向け盤石とは言い難い。
 「イーロン・マスクだって5億ドル(750億円)も持っていない」。一族企業の不正に関する訴訟で4億ドル以上の罰金を命じられたトランプ氏の弁護士は2月末、ニューヨーク州の裁判所で世界的富豪の名前も挙げ「過剰な額だ」と訴えた。
 トランプ氏が1月下旬に女性作家への名誉毀損で受けた賠償命令を加えれば計5億ドルを超える。経済誌によると、昨年9月時点で総資産は約26億ドルだが、現金や現金化しやすい資産は推定約4億2600万ドル。四つの刑事事件で起訴され、昨年1年間で訴訟関連費に5千万ドル以上を費やし、夏までに手元の資金が枯渇するとの見方もある。
 トランプ氏は今月3日、人目を避けてマスク氏とフロリダで会談。資金援助を求めたとの臆測が広がった。奥の手として共和党全国委員会の資金を使うことも視野に入れるが、党を私物化すれば本選の鍵を握る共和党穏健派が離れるジレンマを抱える。
 ▽逆風
 バイデン氏も逆風続きだ。私邸などで機密文書が見つかった事件を捜査するハー特別検察官が2月8日に「記憶力が著しく限られている」との報告書を公表し、米社会に衝撃を与えた。
 ニューヨーク・タイムズ紙の世論調査では、国民の73%がバイデン氏について「大統領を務めるには年を取りすぎている」と回答。ハー氏は今月12日に議会で証言に臨む。バイデン氏の衰えをさらに暴露する可能性がある。
 パレスチナ自治区ガザ情勢でイスラエル寄りの姿勢を続けるバイデン氏への怒りも、若者を中心に広がりを見せる。5日の中西部ミネソタ州の民主党予備選では2割近くがバイデン氏への批判票として「支持候補なし」を選択。本選に向けて不安を残した。
 バイデン氏は5日の声明で「トランプは民主主義を破壊しようとしている」と警告。7日の一般教書演説で高齢への懸念を払拭するとともに、ガザの戦闘休止に向け力強いメッセージを打ち出し政権浮揚を狙う。(ワシントン共同=高木良平)

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