テーマ : 編集部セレクト

PFAS 夏に除去指針 環境省、健康への影響懸念

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を巡り、水道水や生活用水の水源などで高濃度で検出された場合の具体的な除去技術をまとめた指針を環境省が夏ごろ策定することが16日分かった。政府関係者が明らかにした。国の暫定目標値を超えるPFASが各地で相次ぎ検出。健康への影響が懸念されており、自治体などが取るべき対応を明確にする。

有機フッ素化合物(PFAS)
有機フッ素化合物(PFAS)
環境省
環境省
有機フッ素化合物(PFAS)
環境省

 汚染が確認された岐阜県各務原市や沖縄県宜野湾市では活性炭などを使った除去の実証を進めており、知見を指針に反映させる。国内外の最新の研究事例も盛り込む方針で、環境省の専門家会議で議論する。
 活性炭は低コストで多用途に使える除去技術として、PFAS除去でも利用が拡大。だが岡山県吉備中央町の浄水場汚染は、野ざらしで保管された使用済みの活性炭からPFASが流出したのが原因とみられており、政府関係者は「活性炭使用後の適切な処理の徹底を同時に図る必要がある」と強調する。
 PFASには水や油をはじく特性があり、フライパンのコーティングや航空機用の泡消火剤など幅広く使われてきた。極めて分解されにくく、環境中に出ると長期間残留して人の体内などに蓄積。発がんリスクやコレステロール値の上昇、免疫機能への悪影響などが懸念されている。
 国は水道水や河川など環境中の水について、PFASの代表的な2物質、PFOAとPFOSの合計で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)を暫定目標値としている。

 有機フッ素化合物(PFAS) 水や油をはじく、熱や薬品に強いといった特徴があり、フライパンのコーティングや衣類の撥水(はっすい)加工、食品包装など身の回りの製品に幅広く使われてきた。1万種類以上の物質があるとされる。国内では代表的なPFOAとPFOSが2021年までに輸入や製造が原則禁止された。その後PFHxSも追加となった。水道や河川など環境中の水について、体重50キロの人が毎日2リットル生涯にわたって飲んでも健康影響が出ない水準として、PFOAとPFOSの合計で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)との暫定目標値が設定されている。

いい茶0

編集部セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞