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桂吉弥が0周年「お客さんの満足度上げたい」 独演会ツアー開催

 落語家の桂吉弥が5月12日のサンケイホールブリーゼ(大阪市)を皮切りに、落語家生活の30周年を記念して全国30カ所以上を巡る独演会ツアーを開催する。

「師匠が生きていたら『もっと稽古せい』と言われる気がします」と話す桂吉弥=大阪市のサンケイホールブリーゼ
「師匠が生きていたら『もっと稽古せい』と言われる気がします」と話す桂吉弥=大阪市のサンケイホールブリーゼ

 各会場では、「青菜」や「崇徳院」など30演目の中から客にリクエスト投票をしてもらい、当日の演目を決める試みに挑戦する。「落語に悪い人間は出てこない。この30演目も愛にあふれたネタになっていると思う」。そんなネタで「『やっぱり良かった』『めちゃくちゃ笑った』と言ってもらえるような、お客さんの満足度を上げる公演にしたい」と意気込む。
 吉弥は1994年、故桂吉朝に入門。上方落語の本格派として活躍する一方、NHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」(2007年)などに出演。一躍人気者になり、入門15年目から20周年の頃は、本業の落語も「夢中でお稽古をしてもらって、勢いでやっていた」というほど多忙だった。持ちネタも増え、多くの舞台を務めたが、「桂吉弥がやっている『青菜』や『愛宕山』、『ちりとてちん』になっていたかというと、深い意味ではそうなっていなかったかもしれない」と振り返る。
 そんな日々も含めた30年は「やり切った感はまったくない。あっという間に過ぎた」という。
 今は、落語家として最も充実するとされる50代の真っただ中。10年後、20年後のイメージを聞くと、大師匠(師匠の師匠)である桂米朝を引き合いに「『大阪の落語家? ああ、米朝さんね』って言われていたはず。『大阪には吉弥さんいるやん。吉弥さんの落語聴いたらええ』と言われるような存在になりたい」と力を込めた。

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