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カラーリーフで美しさ演出(宮崎千夏/ガーデナー)【進化するイングリッシュガーデン④】

 英国人はオールドローズやイングリッシュローズなどを使った伝統的なガーデンだけでなく、さまざまな国の植栽手法や花、さらに葉にも関心が高いです。

左右の深い赤色のイロハモミジが印象的
左右の深い赤色のイロハモミジが印象的

 水不足が深刻な英国では、雨の少ない地中海地方の庭造りを手本とした植栽手法が人気です。水分の蒸発を防ぐため、さまざまな色の美しい化粧砂利などで地面を覆い、ラベンダーやローズマリーなど乾燥に強い植物を育てます。
 日本やアジアなどで多く見られるアジサイやツツジ、シャクナゲなども好まれます。アルカリ性土壌が多い英国では、酸性土壌を好む日本の植物は育ちにくいため大変珍しいです。赤く色づくイロハモミジは人気種で、一度は育ててみたい憧れの植物です。
 近年は、明るい黄緑の葉や、銅のように赤黒く光沢のある銅葉などカラーリーフを使って美しい庭を造るスタイルも流行しています。例えば、セイヨウニワトコやセイヨウカンボクなどの銅葉を背景に、さまざまな花色のジャーマンアイリスやアストランチアなどの宿根草が愛らしさを添えます。
 咲き終えた後も長く楽しめるよう、葉も生かしたガーデン造りをするのは何とも英国人らしいです。
 (宮崎千夏・ガーデナー=写真も)

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