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記者コラム「清流」 あるべき自然界の姿に

 秋が深まり季節物の取材が増えると同時に、野生動物の出現も増えた。さわやかな香りが漂うネギ畑や、甘く熟した果物を見て腹をすかすのは人間だけではない。
 10月下旬、沼津市と伊豆の国市の境付近にクマのような動物の目撃情報が入り現場に向かった。山に囲まれた道路の脇には木の実が散乱していた。数分ばかり歩くと民家があり、色鮮やかなオレンジ色に染まった柿農園の景色が広がっていた。野生動物にもおいしそうに見えるだろう。
 本当にクマが出現したかは定かでないが、山奥の食べ物が尽きれば人里に出てきて当然だ。クマを殺す前に、本来の生息地で何が起きているのか、何をするべきか、どうすれば共存できるかしっかりと考えたい。人間の力であるべき自然界の姿を取り戻したい。
(東部総局・田中秀樹)

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