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伊豆の国の山車横転 勢いよく下り坂突入か 直後に揺れ、制御不能に

 伊豆の国市田京の市道で山車が横転し、1人が死亡、18人が重軽傷を負った事故で、山車が勢いよく下り坂に突入した可能性があることが4日、関係者や目撃者への取材で分かった。亡くなった販売業の男性(72)=同所=は山車の右前方で縄を引いていたといい、坂道で制御できなくなった山車に巻き込まれたとみられる。伊豆中央署は業務上過失致死傷容疑も視野に入れ、現場の状況を精査し、関係者に話を聞くなどして捜査を進める。

横転した山車や人の動き
横転した山車や人の動き

 事故当時現場にいた目撃者の50代男性によると、山車は橋を渡った後、坂を登る方向に当たる右に向かおうとした際、「今年はそっち行かねえよ」との声がどこからか飛んだ。声と同時に引き手が駆け出し、山車は左旋回して向きを変えて、勢いをつけたまま下り坂に突入した。そのすぐ後に「ドカン」と山車が揺れて「危ない」との声が響き、ほとんどの引き手が縄を離し左側の路肩へ逃げた。山車は勢いをつけたまま上下に跳ねながら蛇行し、右側の斜面に衝突。跳ね上がるように左側面を下にして横転したという。
 祭典の運営に関わったことのある60代男性などによると、かつては坂の上にある住宅街も巡回していたが、10年ほど前から行かなくなり、現在のコースになったという。
 現場には、山車が下り坂にさしかかったとみられる箇所の右端にアスファルトの段差がある。目撃者の男性によると、その周辺で「ドカン」と山車が揺れたという。山車の左側の縄を引いていたという60代男性は「段差のようなものでバランスを崩して落下し始めた」と話した。
 現場に残る車輪の跡は、坂を下り始めた後に左から右に向かって曲がり、山車が衝突した痕跡が残る斜面に向かって続いている。捜査関係者は、山車が斜面に衝突した拍子に横転したとみている。

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