「神沢おくない」練習に熱 “コロナに負けず”伝統の舞継承 12日、浜松市天竜区
浜松市天竜区の伝統芸能「神沢おくない」の保存継承に取り組む神沢おくない市民応援隊が、12日に同区二俣町の天竜壬生ホールで開かれる「天竜地区芸能連盟大会」の舞台に立つ。隊員は「伝統を途絶えさせたくない」と練習に汗を流している。
神沢おくないは、300年以上にわたり伝承されてきたとされる民俗芸能。1960年に一度途絶えたが、75年に地元の旧熊中が面の保存や舞の継承に乗り出した。地元出身で応援隊代表の石野重利さん(81)が音頭を取り、神沢おくない伝承同好会も設立。熊中が清竜中へ統合された後も生徒とともに活動を続けてきた。
ただ、コロナ禍により中学での指導は中断。その空白期間を埋めようと3年前に応援隊が結成された。メンバーは同市内や磐田市から9人が集う。
本番を見据えた2日の練習では、細かい動きや節回しを確認した。2月に入隊した和田喜充さん(55)は「これまで見る側だったが縁あって参加する側になった。自然と共生してきた文化が舞に詰まっている」と魅力を語る。
本番では午前と午後の2回、計9演目を披露する。石野さんは「少しでも多くの人に知ってもらう機会。伝承の輪が広がることを期待して、懸命に舞いたい」と意気込む。
天竜地区芸能連盟大会は午前10時開演。入場無料。